研究課題/領域番号 |
01870108
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 裕 大阪大学, 医学部附属病院・医療情報部, 助教授 (20127252)
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研究分担者 |
松山 泰三 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
北畠 顕 大阪大学, 医学部, 講師 (00124769)
井上 通敏 大阪大学, 医学部附属病院・医療情報部, 教授 (30028401)
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キーワード | 超音波組織性状診断 / 急性心筋梗塞 / インテグレイテッド・バックスキャッタ- / 2次元RF信号 |
研究概要 |
超音波心筋組織性状診断のために新たに開発した2次元RF信号収集解析装置を用いて、急性虚血心筋における超音波後方散乱特性の経時的変化について犬in vivo拍動心を対象に検討した。中心周波数3.5MHzの探触子を用いた。超音波デ-タ収集は結紮前のコントロ-ルと左冠動脈回旋技結紮後15,45,90分、3、6時間の計6回行った。デ-タ収集は心電図同期にて拡張末期(ED)及び収縮末期(ES)において行った。収集したRFデ-タを約6dBごとにブル-からレッドまでの6段階でCRT上に疑似カラ-表示し、関心領域内のインテグレイテッド・バックスキャッタ-(dB)を算出した。本研究では、冠動脈結紮後の急性虚血心筋における超音波後方散乱特性を明らかにするために、cyclic IB variation(ED-ES)とadveraged IB((ED+ES)/2)の2つの超音波指標について検討した。(1)cyclic IB variation:コントロ-ル時の(+3.2±1.8dB)に対して、結紮後15分(-0.1±1.4dB)で明らかにcyclicIB variationは減少し、以後6時間目(+0.8±0.5dB)まで継続した。(2)averaged IB:コントロ-ル時に比較して15分で既に(+3.6±0.5dB)と増大し、45分(+5.1±1.1dB)、90分(+6.2±1.9dB)、3時間(+8.4±1.4dB)、6時間(+9.1±1.7dB)と明かな漸増傾向を示した。 以上より、拡張末期と収縮末期のIBの平均値つまりaveraged IBは急性虚血15分より既に増大、以後6時間目まで増大傾向を示した。一方、IBの心周期変化(拡張末期と収縮末期のIBの差)つまりcyclic IB variationは結紮後15分で減少し6時間目まで継続することが明らかとなった。以上より、閉胸拍動心を対象に2次元RF信号解析より求めたIBを用いた2つの超音波指標(averaged IB variation)は急性虚血心筋における後方散乱特性の経時的変化を鋭敏に反映するパラメ-タであることが示唆された。
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