研究課題/領域番号 |
01870116
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部・高次救急センター, 講師 (30160394)
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研究分担者 |
鈴木 美幸 岩手医科大学, 医学部・細菌学講座, 副手
稲田 捷也 岩手医科大学, 医学部・細菌学講座, 嘱託講師 (80048446)
松岡 哲也 岩手医科大学, 医学部・高次救急センター, 助手 (10199771)
井上 義博 岩手医科大学, 医学部・高次救急センター, 講師 (30184774)
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キーワード | エンドトキシン血症 / グルカン / 血漿前処理法 / リムルステスト / 敗血症 / 迅速診断法 |
研究概要 |
1.本年度はこれまでの研究成果のまとめと、結果の分析および、2.3の追加実験を行なった。その結果、 2.我々が開発した新しい血漿前処理法は、従来の方法に比較して、正確に血中エンドトキシンを測定し得る前処理法であることが、わかった。このことは、血漿へのエンドトキシンの添加実験、他の生物活性との比較、他の血漿前処理法との比較検討の結果わかったことである。 2.種々の病態におけるエンドトキシンの役割:従来、出血性ショックや広範囲熱傷などで、腸管の透過性が亢進し、腸管フロ-ラ由来のエンドトキシンが血中に移行し、その病態の進展に関与するとの考えがあるが、ヒトの場合、エンドトキシンは全く血中へ侵入しないことが明らかになり、従来の概念を大きく変えることとなった。 3.消化管穿孔では、エンドトキシンが血中に侵入することが考えられてきたが、我々の研究結果では、侵入の頻度は想像以上に低かった。しかし、サイトカインの血中濃度は増加することから、これらの病態ではいわゆる“Sepsis syndrome"の概念があてはまるものと考えられた。 4.エンドトキシンととらえられるものとしては、遊離の型ばかりでなく、菌のまつでもリムルステストが陽性になり、それが死んでもエンドトキシン量は増加することは菌種が異なっても殆んどなく、血中エンドトキシンは、遊離型と箇体型の2型を考える必要があることを明確にした。 5.以上のように本年度は、新しい血漿前処理法を用いることにより、従来の概念を変えてしまう程の重要な知見を得ることができた。
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