研究概要 |
1.サブミリ波帯ジャイロトロンの開発に関する研究成果 (1)サイクロトロン高調波動作を用いたジャイロトロンの高周波化,前年度までに開発したサブミリ波ジャイロトロンにおいて,3次高調波での単独動作が確認され,TE_<161>モ-ドで周波数354GHz.出力約20Wが得られた。この成果により,将来テラヘルツ帯で動作するジャイロトロンの開発に明るい見通しが得られた。 (2)周波数可変ジャイロトロンの実現,上記のサブミリ波帯ジャイロトロンを他の多くのモ-ドで動作せ,サイクロトロン基本波で208GHz,2次高調波で402GHzまで周波数を変化させることに成功した。 (3)サブミリ波帯ジャイロトロンにおけるモ-ド競合の解析と実験,計算機シミュレ-ションによってモ-ド競合の解析を行った。また,サブミリ波帯ジャイロトロンを用いて,実験による検証を試み,磁場強度を最適値に設定し,ビ-ム電流を臨界価以下(2-3A)に抑えることにより,2次高調波での単独動作が得られ,シミュレ-ションの結果ともよく一致した。この成果により,本装置が格好のサブミリ波帯光源となりうる。 2.ヘリカル装置でCHS(核融合科学研究所)のサブミリ波散乱計測 福井大学で開発したサブミリ波ジャイロトロン装置一式と試作したサブミリ波帯で動作する準光学的アンテナを核融合科学研究所に搬入して,352GGHz(波長0.85mm)で動作するホモダイン検波方式のサブミリ波散乱計測装置を製作した。これを用いて同研究所との共同研究として,CHSヘリカル装置の散乱計測を行いドリフト波不安定性に基ずく低周波波動(周波数、数100kHz〜1MHz)の検出に成功した。その装置の特長を生かして,低密度揺動を空間的分解能に測定することができる。
|