研究課題/領域番号 |
01880003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 孝 京都大学, 理学部, 助手 (20127137)
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研究分担者 |
久保 伸 核融合科学研究所, 助手 (80170025)
田中 茂利 京都大学, 理学部, 教授 (20025240)
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キーワード | 回転回折格子 / サブミリ波 / プラズマ診断 / 干渉計 / 散乱計測 |
研究概要 |
1.タ-ボ分子ポンプの回転軸の先端に回転回折格子を装着し、高速回転(43200rpm)により、波長337μmのHCNレ-ザ-ビ-ムに対してを△f=1.45MHzの周波数変移を得た。この値は従来の回転回折格子による周波数変移量より一桁以上大きい(超高速回転回折格子)。超高速回転折格子を使えば充分大きな周波数変移を持つロ-カルビ-ムが容易に得られるので、高時間分解干渉計測及びヘテロダイン検出による低周波密度揺動の散乱計測が一本の遠赤外レ-ザ-で可能となる。 2.周波数変移を受けたビ-ムはわずかに回折格子の回転周期で周波数変調を受けていた。変調度は非常に小さく(変調指数Mf〜1.2)、上記の計測には悪影響をおよぼさないと思われる。周波数変調の主要な源は格子溝の幅(g)の不均一性にあると推定され、その程度は△g/g〜5×10^<ー4>である。 3.焦電検出器を使い、静止状態の回折格子から回折してくるビ-ムによる検出器の出力電圧V_Gと回折格子の替わりに置いた平面鏡から反射してくるビ-ムによる出力電圧V_Mの比η=V_G/V_Mにより超高速回転回折格子のパワ-変換効率を評価した。結果はテフロン窓の場合はη〜0.2、結晶石英窓の場合は〜0.25、窓材が無い場合は〜0.3であった。これらの値は以前報告された値(η〜0.8[Veron])に比べてかなり小さい。今後、ηを上げるべく回折格子への集光凹面鏡等の光学配位の最適化を行う予定である。しかしながら、HCNレ-ザ-出力は比較的大きいので、現状の変換効率でも10チャンネル程度の多チャンネル測定には充分対応できる。
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