研究課題/領域番号 |
01880012
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
齋藤 宗雄 (財)実験動物中央研究所, 飼技研, 室長 (50167417)
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研究分担者 |
日置 恭司 (財)実験動物中央研究所, 飼技研, 室長 (80208735)
垣生 園子 東海大学, 医学部・免疫学教室, 教授 (30051618)
上山 義人 東海大学, 医学部・病理学教室, 助教授 (30072408)
玉置 憲一 東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (50055860)
野村 達次 (財)実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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キーワード | SCIDマウス / 免疫不全マウス / モデル動物 / 実験動物 / 実験動物生産システム / 胚の操作技術 |
研究概要 |
平成2年度は、本研究の主たる目的である凍結保存胚からSCIDマウスを生産供給するシステムを作る為に、清浄の高い胚移植用クリ-ンル-ムを作製した。また、前年度帝王切開・里仔法によりP.cariniiを排除したSCIDマウスによるベ-スライン・デ-タの作成を試みた。主な研究経過(成績)は以下のようである。 清浄度の高い胚移植用クリ-ンル-ムに関しては、凍結保存胚を個体まで戻す場合凍結胚の融解・胚移植等の操作は、通常コンベンショナルな環境で行れる。微生物的清浄なSPFの個体を得るには、仮親の出産直前に無菌的帝王切開による胎仔を摘出、無菌又はSPFの里親に里仔し育成する方法を採っている。この方法では里親の準備ならびに帝王切開など多くの労力・時間を必要とする。そこで、凍結胚の融解・胚移植等の操作を清浄に行い、容易にSPFの個体を得るためのクリ-ンル-ムを作製した。縦2.7横3.0高と2.2メ-トルの機密性を配慮した小部屋に、HEPAフィルタ-を通した空気を1時間に55.5回の割合で給気し清浄度をクラス 100に維持した。無菌的に動物、滅菌資材を搬出入を工夫し壁面に5個のアイソレ-タ用ステリ-ルロックを取りつけた。現在、SPF仮親への胚移植を試験的に行っている。 SCIDおよびCBー17マウスの体重、臓器重量および血液性状値に関しては、0〜12週齢までの体重測定ではSCIDはCBー17に比べやや低い値を示した。13週齢時の臓器重量14項目の測定では、脾臓の体重比で、SCID♀0.23±0.11%・♂0.18±0.08%、CBー17♀0.45±0.08%・♂0.36±0.04%とSCIDが低値を示した。しかし、他の項目では顕著な差は認められなかった。13週齢時の血液性状値が8項目の測定では、白血球数が、SCID♀15.7±13.9×10^2/μ1・♂21.0±14.2×10^2/μ1、CBー17♀43.6±8.6×10^2μ1・♂38.8±8.2×10^2/μ1とSCIDで低い値を示した。
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