研究課題/領域番号 |
01880019
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 (1990) 東京大学 (1989) |
研究代表者 |
中村 和郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00012675)
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研究分担者 |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 分子グラフィックス / 蛋白質 / 立体構造 / X線結晶解析 / 精密化 |
研究概要 |
1.CPU一体型3次元グラフィックス・ワ-クステ-ションであるパ-ソナルIRISを導入後、その基本性能のチェックを行った結果、本研究の目的の実現に十分な性能を備えていることが判明した。分子模型の電子密度図への適合プログラムとしてはTOMを採用し、パ-ソナルIRISへの移植作業は完了した。2.大型計算機上で、蛋白質結晶の構造の最小2乗法精密化プログラム(KonnertーHendricksonのプログラムを改良したもの)の実行速度をできるだけ速める徹底的な最適化を行い、それをパ-ソナルIRISに移し、その移植を完了し、上のTOMと有機的に結びつけて使用できるシステムを構築した。3.リボヌクレア-ゼ Ms*3'ーGMP複合体結晶の分子置換法による解析に関しては、西独自由ベルリン大学のハイネマン博士より供与されたリボヌクレア-ゼT_1の座標に基づいた回転関数の計算結果から蛋白分子の格子軸に対する方向が決定でき、さらに並進関数の1種であるプログラムBRUTEを使って、蛋白分子の重心の確からしい位置を決定する事ができた。 この粗いスタ-ティング・モデルに対して、これまで構築してきた(TOM+精密化)システムを用いて精密化を行った。システムは、まさしく効率的に働き、大型計算機をベ-スとしたやり方の少なくとも5倍は能率よく精密化を行うことができるようになった。それを示すものとして、我々はシステム構築後たった1年で(1)RNaseMs*3'ーGMP複合体(2)サブチリシン-SSI複合体(3)RNase Ms*2'ーGMP複合体(4)RNase Ms*GfpC複成体(5)トリプシンーSSI複合体(6)インタ-フェロンβ(7)RNase Rhの7種もの多数の結晶に対する精密化に成功したのである。今後使用経験をより増すことによって、システムをより使いやすいものに作り上げていく方針である。
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