研究課題/領域番号 |
01880020
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大村 恒雄 九州大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80029933)
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研究分担者 |
石橋 剛 福岡県工業技術センター, 専門研究員
三原 勝芳 九州大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40029963)
伊藤 明夫 九州大学, 理学部, 教授 (30037379)
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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キーワード | 生体膜 / 生体膜局在化シグナル / 膜蛋白質 / 新機能膜蛋白質 |
研究概要 |
当該年度の研究実施内容とその分担は次の通りである。1)膜蛋白質の膜局在化シグナルと膜内トポロジ-形成シグナルの解析(大村、伊藤、三原)。2)改変蛋白質の動物細胞、微生物細胞での発現生産(大村、伊藤、三原)。3)人工膜への蛋白質の組み込み(国武、石橋)。その結果、下記のような結果を得た。 1.翻訳と共役して小胞体膜に蛋白質分子のアミノ末端を挿入し固定するシグナル・アンカ-配列の構造要求性を詳細に検討し、アミノ末端の電荷と疎水性アミノ酸配列のバランスで配列の機能が決定されることを証明した。蛋白質分子の膜内トポロジ-形成に重要な膜透過停止配列についても検討し、ペプチドの膜透過を効率よく停止させるのに必要なアミノ酸配列の構造をを確かめた。チトクロ-ムb_5やモノアミン酸化酵素で確かめられたカルボキシル末端の膜局在化シグナル配列についても構造要求性を解析し、小胞体膜とミトコンドリア外膜を指向するシグナルの違いを確かめた。 2.人工膜用に合成された正電荷をもつ有機化合物をDNAの担体として用いて動物細胞にDNAを導入する条件を詳細に検討し、効率よくDNA導入を行なう条件を確立した。また、この方法を用いて数種類の改変蛋白質をCOS1細胞などで発現させることができた。微生物では、分裂酵母(S.pombe)でチトクロ-ムP-450を効率よく発現させることができた。 3.合成有機化合物で作った人工二分子膜の親水部層にミオグロビンやペルオキシダ-ゼなどの水溶性蛋白質を固定する方法を確立したので、このフィルム内での蛋白質分子の配向を詳細に検討した。適当な条件下でフィルムに組み込めば、これらヘム蛋白質はフィルム膜面に対して規則正しく配向していることが確かめられた。
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