研究課題/領域番号 |
01880030
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠見 明弘 東京大学, 教養学部, 助教授 (50169992)
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研究分担者 |
内藤 正幸 オリンパス, 機器グループ, 主任研究員
辻 明彦 浜松ホトニクス, 研究部, 研究員
馬渕 一誠 東京大学, 教養学部, 助教授 (40012520)
山口 和夫 神奈川大学, 理学部, 講師 (20114902)
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キーワード | 蛍光顕微鏡 / 蛍光寿命 / 画像処理 / 蛍光試薬 / 共鳴エネルギ-移動 / エンドソ-ム |
研究概要 |
時間分解蛍光顕微鏡装置の組み上げを行い、装置の基本性能を確かめた。なお、励起パルスの周波数を当初に計画した200Hzから400kHzに上昇させることによって、パルス当りのエネルギ-を減少させ、試料に与える影響の減少を図ることにした。このため、レ-ザ-をエキシマ-レ-ザ-からモ-ドロック・キャビティ-ダンプのアルゴンレ-ザ-に変更した。それに伴い、励起波長が488nmまたは514.5nmとなるため、試料の劣化がさらに抑えられる。 装置の応用法の一つとして、蛍光寿命イメ-ジング法を開発した。この方法は、同一視野で、励起レ-ザ-光照射からゲ-トを開けるまでの遅延時間を変化させて数枚の画像を撮り、画像処理計算することにより、顕微鏡の視野内の各点で蛍光寿命を同時測定し(空間分解能0.2μm)、寿命の大小をコントラストとする画像を得るものである。蛍光寿命から蛍光共鳴エネルギ-移動を測定して(蛍光寿命が共鳴エネルギ-移動が起こると短くなる)蛋白質の集合や会合を検出することができる。種々の蛍光寿命をもつ蛍光色素で標識したリポソ-ムによるモデル実験を行い、7.8nsecおよび5nsecの蛍光寿命を持つリポソ-ムを画像として区別することができた。現在は生体膜研究への応用として、培養細胞中でのエンドソ-ム間の膜融合の測定を行っている。 新しい蛍光色素の開発として、pyene環をアンテナとし、EDTAをキレ-ト部とするpyreneーEDTAを合成し、試験中であるほかに、数種類の蛍光試薬を合成中である。また、種々のテルビウム・ユ-ロピウム試薬を検討した結果、thenoyl trifluoroacetone等βージケトン形のアンテナ部位を持つユ-ロピウム試薬を用いた2光子励起法を開発することとした。
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