研究課題/領域番号 |
01890001
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
勇田 敏夫 北海道大学, 工学部, 教授 (70001170)
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研究分担者 |
下岡 聡行 北海道大学, 工学部, 助手 (50196549)
馬場 潔 東海ゴム工業株式会社, 研究開発本部, 主任
田中 守 日本精工株式会社, 生産技術研究所, 部長
村林 俊 北海道大学, 工学部, 助教授 (30200306)
三田村 好矩 北海道東海大学, 教授 (70002110)
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キーワード | 心臓代用弁 / ジュラルミン / 中心開放型二葉弁 / 流体動態特性 / 加速耐久試験機 / アルミナ表面改質 / 反応性スパッタ法 / 傾斜形中間層 |
研究概要 |
本研究は初年度において、開発弁の素材およびその構造と機構の決定、弁フラップ形状の最適設計などを行ない開発弁を試作し、コンピュ-タ・シミュレ-ションと定常流実験における流れの可視化による流体動態解析を行ない、既存各種機械弁に対してその流体動態特性を比較した。つぎに血液適合性と耐久性に優れた表面に改質するため、スパッタ法によりアルミナを蒸着して、その膜の耐久性と付着力について試験を行ない、さらに新しい発想による加速耐久試験機を設計・試作した。以上により新たに得られた知見を要約すると、つぎの通りである。 1。加工が容易で、安価であり、機械的性質に優れた素材は、ジュラルミン(JIS A7075BE-T6)に決定され、チタン合金も再考の余地がある。 2。開発弁は、中心開放型二葉弁で、弁フラップは強度を増すために曲面形状を持つ型式に決定される。 3。コンピュ-タ・シミュレ-ションによる定常流下における流体動態解析によると、既存弁はいずれも、弁フラップ下流域および弁座周辺で淀みがあり、なかには渦にまで発展しているが、開発弁は淀みがほとんどなく、比較的安定した流れが得られている。この事は流れの可視化による解析でも同じ傾向が見られる。今後さらに開発弁の弁フラップ曲面形状を最適化するとより改善されると考えられる。 4.表面改質では、アルミナタ-ゲットを用いた通常スパッタ法よりも反応性スパッタ法が、より滑らかな蒸着膜が得られ、耐久性や付着力もより大きな値が得られた。さらに母村より連続的に酸素量が増大する傾斜形中間層か存在すると、耐久性や付着力が2倍以上に増大する。
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