研究課題/領域番号 |
01890003
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹田 宏 東北大学, 工学部, 教授 (60005220)
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研究分担者 |
吉澤 誠 東北大学, 工学部, 助手 (60166931)
仁田 新一 東北大学, 抗産菌病研究所, 助教授 (90101138)
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キーワード | 人工心臓 / 補助人工心臓 / 適応制御 / 知識工学 / 人工知能 / 自動制御 / 最適制御 / 循環系シミュレ-タ |
研究概要 |
本研究は、補助人工心臓駆動下の循環系に対する1)動特性解析・同定システム、2)適応制御系設計支援システム、および3)制御・監視用エキスパ-トシステムを制御工学および知識工学的手法により開発し、さらにそれらを有機的に結合することによって、医師、人工心臓駆動系および患者のそれぞれの間に、優れたマン・マシン・インタ-フェイスを開発することを目的とするものである。 本年度の研究実績をまとめると以下のようになる。 1.補助人工心臓装着時循環系の動特性をオンライン・リアルタイムで模擬するためのディジタル・シュミレ-タ-をパ-ソナル・コンピュ-タ上で実現し、これを用いて適応制御系の設計と評価を行うためのシステムを完成させた。 2.補助人工心臓の駆動条件を変化させたときの腎交感神経情報の変動を解析することにより、至適駆動条件の設定に中枢神経系情報が利用できることが示唆された。 3.補助人工心臓の空気駆動圧と拍出流量との間の関係を分析することで、循環系のパラメ-タ同定が行えることが明らかとなった。 4.多重割り込み処理によって適応制御機能・監視機能・解析機能がひとつのソフトウェアに統合されたパ-ソナル・コンピュ-タに基づく適応制御系を完成させた。本システムにおいては、オペレ-タは、補助人工心臓の駆動と同時に循環系の血行動態の解析ができ、駆動条件の改善のために解析結果をオンラインで利用することができる。 本年度で開発した適応制御系は、外乱に弱いとともに、曖昧な情報や既存の知識を利用することができない。これに対処するためには、適応制御系の上位に、ファジィ論理などに基づく監視用エキスパ-ト・システムを構築することが必要である。
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