研究課題/領域番号 |
01890005
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
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研究分担者 |
佐野 正之 クールス科学技術(株), 社長
伊藤 治彦 日本原子力研究所, 材料試験炉部, 課長代理
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
茅野 秀夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005890)
松井 尚之 名古屋大学, 工学部, 助手 (00023185)
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キーワード | 中性子照射 / 原子炉照射 / 照射損傷 / 温度制御 |
研究概要 |
従来の原子炉心照射の致命的ともいえる欠陥を取り除くとともに損傷基礎過程を解明するのに最も適した構造の多段多分割完全制御原子炉心照射装置の試作を開始すると同時に、この照射手法の有効性を実証するために原子炉研究所材料試験炉JMTRを用いて試行照射を行った。 日本原子力研究所大洗研究所の原子炉照射技術専門家および照射装置の専門メ-カ-の技術者との回数を重ねた協議検討により、多段分割方式原子炉心照射装置の概念設計をほぼ完了した。この方式は国際的にも経験のない方式で、安全性も含めて誤動作は許されず、原子炉外での模擬試験装置の製作が第一の課題となり、これを製作した。(1)管状の照射装置の炉心部分を長さ方向に三分割(熱媒体と呼ぶ)し、強力な発熱体を装荷することによりそれぞれを独立な温度に設定できるが、炉運転中に照射試料の一部を随時炉心外に移動させた場合の残留試料と移動試料の両者の温度保持が最も困難な課題であり、模擬装置は炉心内と全く同一の条件を再現できる。(2)円筒形の熱媒体は円周方向に6分割され軸方向に沿った6ケ所の縦穴に試料ミニカプセル(標準試料500個装填可能)を挿入するが、このミニカプセルは炉運転中に炉心外まで長距離確実に移動できることが必要である。薄肉ガイド管を通じての移動機械は模擬装置でテストできるが、原子炉心外からの駆動部の試作試験は2年度となる。 多分割ではないが多段の中性子束温度相関履歴完全制御の炉心照射を材料試験炉JMTRにより実行した。一本の炉心照射装置をその軸方向に四段に分割してその一部に従来型の温度制御を与え、完全制御を与えたものと結果を比較したもので、理論的に予測していた通り材料の種類と温度の組合せによっては両者の間に決定的な差があることが判明し、多段多分割方式の必要性が確認された。
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