短い時間間隔で空中を落下している降雪粒子を詳細に観測できる装置を開発することを目的として、以下の1〜4の手順で研究を進めた。 1.降雪観測塔を作製した。 2.観測塔の中に降ってくる粒子映像をテレビカメラより、毎分2〜6回ずつ画像処理システムに取込み、粒子の粒径分布と落下速度の解析を行った。 3.デ-タベ-スを構築し、空間数密度、平均落下速度、粒径別落下速度及び降雪の長期間状況を検索できるようにした。 4.公衆回線を使った観測デ-タの転送の予備実験を行った。本研究の降雪粒子デ-タは粒子映像の画像処理から得られた画像デ-タであるが、降雪状況を表すには、粒径、落下速度および空間数密度の3要素だけであ必要かつ十分である。この3要素をデ-タベ-スに登録することにより、降雪粒子映像を直接デ-タ-ベ-スに登録するよりも大幅にメモリの効率化並びにデ-タ検索の高速化を図ることができるようになったばかりでなく、降雪状況の定量的解析も可能になった。さらに長期間のデ-タ登録を行うことにより、これまでの積雪深等の測定のように地上に落下した雪の観測では得ることのできなかった新しい処理デ-タ(空間数密度の最大値の検索、降雪の継続時間および降雪時間割合等)を求めることが可能となった。
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