研究課題/領域番号 |
01F00051
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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研究分担者 |
YASIN Sarwar Jahan MD. 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 砂の変形・強度特性 / 粘性効果 / 平面ひずみ圧縮試験 / 三軸圧縮試験 / ひずみ硬化 / 応力経路依存性 |
研究概要 |
砂の変形・強度特性およびそれに及ぼす粘性効果を、精密で系統的な平面ひずみ圧縮試験・三軸圧縮試験を行うことにより実験的に研究した。具体的には、長時間に亘るクリープ載荷試験、超低速載荷試験、ひずみ速度の多数回の急速な増加と減少などの様々なひずみ履歴を任意の応力経路で与えた一連の実験を行った。また、弾性変形特性の応力状態依存性をデル化して、せん断に対する降伏と圧縮に対する降伏に対して異なる「応力経路非依存性のひずみ硬化関数」を定義した。 また、Bangladeshでは日本政府の援助により多くの橋梁等の建設が行われているが、その橋梁の橋台の側面の雲母を大量に含む砂からなる堤防の洪水時の洗掘による時間遅れ崩壊が問題になっている。この問題を技術的検討するためには、この砂の変形強度特性の著しい時間依存性を明らかにする必要がある。本年度は、このの砂を用いた系統的な排水平面ひずみ圧縮試験を行って、次のことを明らかにした。 1)通常の砂と比較すると、応力比〜せん断ひずみ関係に及ぼす拘束圧の影響が著しく、内部摩擦角は拘束圧の増加に応じて著しく低下する。 2)また、通常の砂と比較すると、せん断時の圧縮性が非常に高く、膨張性(正のダイレイタンシ特性)が低い。 3)クリープやひずみ速度が応力〜ひずみ関係に及ぼす影響などの粘性は、いわゆるアイソタツク粘性を持ち、現在の応力値は現在の非可逆ひずみとその速度により一義的に決定される。 4)ひずみ速度が低いほど、せん断層の発生が遅れてむしろピーク強度が高くなり、またピーク後のせん断層の厚さが小さくなり、ひずみ軟化の程度が著しくなる。これは、非常に新しい発見である。
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