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2002 年度 実績報告書

液晶性生体分子複合体の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 01F00275
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 隆史  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授

研究分担者 MARFO Emmanuel Owusu  東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
キーワード超分子液晶 / 自己組織化 / 水素結合 / X線結晶構造解析 / 分子集合体
研究概要

2,6-ジアミノピリジン誘導体(nAPy)は、安息香酸誘導体などと複合化することにより二重水素結合を形成し、さまざまな液晶相の発現をはじめとした自己組織化構造の形成が見られる。それゆえ、新しい分子材料の創製に有効なパーツであると言えるが、これらの系に関して、結晶学的な見地からの研究はなされていない。そこで、水素結合パターンや分子のパッキングに関する情報を得ることで、nAPyの分子認識プロセスに関する知見を明らかにすることを目指し、nAPyとその複合体のX線結晶構造解析を行った。
nAPyの結晶は、n=1〜4では単斜晶系であり、n=5では斜方晶系であった。また、2APyの結晶には、水和物の形になっているもの(2APy・2H2O)と無水物の2種類が存在した。無水物の結晶では、アミド基のN-H, C=O間の分子間水素結合が形成されているのに対し、水和物では、2APyのアミド基と水分子の間の水素結合も同時に形成されていることがわかった。このことから、nAPyでは、アミド基間の水素結合を崩すことで、他の水素結合性分子をゲストとして取り込むことができると考えられる。
3APyについては、アミド基間の水素結合だけでなくピリジン環の窒素原子とアミドのN-Hの間の相互作用も同時に見られた。nAPyのアルキル鎖長が変化すると、柔軟なアルキル鎖の運動により、アルキル鎖のパッキング様式が異なってくる。このアルキル鎖のパッキング様式の変化が、剛直なピリジン環のパッキング様式、あるいは、アミド基のN-H, C=O間の分子間相互作用に影響を与えていると考えられる。
現在、複合体形成におけるアミド基およびアルキル鎖長の効果を調べるためnAPyと2-ホルミルアミノピリジンとの複合体の作製を試みている。得られた結晶はいずれも薄くて弱いものであり、X線結晶構造解析に適したものはこれまでのところ得られていないが、偏光顕微鏡観察により、それぞれの化合物単独の結晶とは異なる結晶形態を示していることがわかったので、複合体は形成されていると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] マルフォ エマニュエル オブス, 加藤 隆史: "The Self-Assembled Structures of 2,6-Di(acylamino)pyridines"Acta Crystallographica Section A. A58,Supplement. C309 (2002)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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