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2003 年度 実績報告書

赤血球内寄生原虫と宿主細胞間の分子間相互作用解析とワクチン開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 01F00777
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

杉本 千尋  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授

研究分担者 SANJAY Kumar  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
キーワードバベシア原虫 / 赤血球 / 抗原蛋白質
研究概要

馬バベシア原虫(Babesia equi)は馬赤血球内に寄生し、貧血、黄疸を主徴とする疾患である。本原虫は分類学的にはBabesia属より、Theileria属に近縁であることが分子系統学的研究から報告されている。本原虫の宿主細胞内での動態を解析する上で、その表面蛋白質EMA-1,EMA-2に着目して研究を実施した。まず、それらに対する抗体をマウスで作製し、感染赤血球内部での2種の蛋白質の動態を観察した。その結果、両蛋白質が同一細胞上にほぼ同時期に発現していることが共焦点顕微鏡で観察され、EMA-2では感染初期に赤血球内に拡散し、細胞内面に蓄積される像も認められた。さらに赤血球膜画分を調製し、組換えEMA-1,EMA-2との結合性を検出したところ、後者でのみ特異的な結合を示した。以上の結果から、EMA-1とEMA-2の間では免疫学的性状、赤血球内での動態が異なり、機能的にも異なることが示唆された。
2つの表面蛋白質間の機能的分化に関わる遺伝的背景を明らかにするため、まず両遺伝子をゲノム上にマッピングすることを行った。パルスフィールド電気泳動法分離された4本の染色体DNAをナイロン膜状に転写し、EMA-1,EMA-2遺伝子それぞれに特異的に反応するプローブによるサザンサザンプロッティングを実施したところ、EMA-1,EMA-2はそれぞれ第2染色体、第1染色体に位置することがわかった。タイレリア原虫のEMA相同遺伝子(MPSP)は第1染色体に存在していることから、EMA-2がMPSPのオーソロガスな遺伝子と考えられた。なぜBabesia equiだけが2種類の表面抗原を発現しているのか、機能的な観点からも興味深いだけではなく、遺伝子の進化についても今後解析することによって興味深い結果が得られると思われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kumar, S et al.: "Expression Babesia equi EMA-1 and EMA-2 during merozoite developmental stages in erythrocyte and their interaction with erythrocytic membrane skeleton."Molecular and Biochemical Parasitology. 133. 211-227 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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