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2003 年度 実績報告書

GISを用いた都市開発のための環境管理計画策定支援システムの開発と途上国への適用

研究課題

研究課題/領域番号 01J00248
研究機関徳島大学

研究代表者

渡辺 公次郎  徳島大学, 工学部, 助手

キーワード地理情報システム / 開発途上国 / 計画支援システム / 環境管理 / セルオートマトン / エキスパートシステム
研究概要

今年度はまず、昨年度までに開発したモデルを一部改良した。市街化は、既成市街地の拡大だけでなく、計画的に市街化される地域もあることから、市街化を突発的なものと既成市街地の拡大によるものの2つに分けた。シミュレーションは1年を基本単位としているが、1年間の市街化量のうち、1%が突発的に市街化すると仮定した。このモデルを使って、1991年から2015年までの市街化予測を試みた結果、既存市街地が拡大する傾向にあるものの、幹線道路を中心に沿道開発が進む傾向がみられた。
環境管理計画を策定する際には、将来の市街化を踏まえ、どこで、どういった規制、保全をどのくらい行えばよいのか、という判断が必要になる。そこで、本モデルを用いて環境に配慮した市街化の評価を行った。評価に際し、対象地域を観測している人工衛星データ(ランドサットTM)を入手し、それを解析し、土地被覆分類結果と植生指数NDVIを得た。これらを用いて、土地被覆分類結果で緑地と判定されたセルのNDVI値を計算し、そのヒストグラム分布から閾値を決定し、それ以上のNDVI値を持つセルを緑地とした。閾値は86であった。次に、緑地を一定のまとまりとして捉えるために、500mセルごとにNDVI値が86以上を占める割合(NDVI比率)を集計した。なお、NDVI値と市街化予測の空間単位は100mセルである。
これらデータを用いて、ケース1として、NDVI比率が0.3以上のセルを開発禁止にした場合、ケース2として、0.6以上のセルを開発禁止にした場合を想定し、1991年から2015年までの市街化シミュレーションを行った。その結果、ケース2と、何も規制をかけない場合の予測結果を比較すると、それほど市街化傾向に差は見られなかった。ケース1と比較してみると、沿道を中心にかなり密な市街化が観測された。これより、現在よりも緑地保全を重視する場合には、NDVI比率0.3以上の緑地で開発規制を行う必要があることが分かった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Prasanna Divigalpitiya: "Analyzing the urban expansion process in Colombo Urban Area and its Cellular Automata Modeling"5th International Symposium on Architectural Interchanges in Asia, Matsue in Japan. (発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 渡辺公次郎: "開発途上国における環境に配慮した市街化の評価"日本建築学会四国支部研究報告集. (発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 郷内吉瑞: "CAによる消防力を考慮した延焼シミュレーションモデル開発の基本的考え方 防災まちづくり支援ツールの開発"日本建築学会東海支部研究報告集. 42. 653-656 (2004)

  • [文献書誌] Kojiro WATANABE: "A Risk Evaluation Method to Support Community-based Panning for Disaster Mitigation : Application to Historical Built-Up Area, Japan"The 4th International Symposium on City Planning an Environmental Management in Asian Countries, Seoul in KOREA. 247-258 (2004)

  • [文献書誌] Akira OHGAI: "A Fire Spread Model to Support Community-based Planning for Disaster Mitigation Using Cellular Automata : Application to Historical Built-Up Area, Japan"The 4th International Symposium on City Planning an Environmental Management in Asian Countries, Seoul in KOREA. 259-268 (2004)

  • [文献書誌] Prasanna Divigalpitiya: "Cellular Automata Modeling for Urban Expansion in Colombo Urban Area, Sri Lanka Part1. Modeling concept and structure"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 1011-1012 (2003)

  • [文献書誌] Kojiro Watanabe: "Cellular Automata Modeling for Urban Expansion in Colombo Urban Area, Sri Lanka Part2. Calibration and Discussion"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 1013-1014 (2003)

  • [文献書誌] 木下博貴: "歴史的市街地における防災まちづくりのための災害危険度評価手法の開発 その1"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 501-502 (2003)

  • [文献書誌] 中西功: "歴史的市街地における防災まちづくりのための災害危険度評価手法の開発 その2"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 503-504 (2003)

  • [文献書誌] 郷内吉瑞: "歴史的市街地における防災まちづくりのためのCAを用いた延焼シミュレーションモデルの開発 その1:延焼現象のモデル化"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 505-506 (2003)

  • [文献書誌] 岩崎真志: "歴史的市街地における防災まちづくりのためのCAを用いた延焼シミュレーションモデルの開発 その2:モデルの適用"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 507-508 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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