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2002 年度 実績報告書

新規浸潤・転移阻止因子NK4による血管新生阻害機構の解明と膵癌治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 01J00560
研究機関大阪大学

研究代表者

久場 敬司  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワード血管新生 / 膵癌 / 肝細胞増殖因子(HGF) / NK4 / 浸潤・転移 / クリングル
研究概要

本年度は,NK4による血管新生阻害作用に関与する内皮細胞のNK4結合分子を同定した。方法としては、リコンビナントNK4を固相化したビーズを用いる生化学的な手法を試みた。具体的には、細胞膜表面をビオチン化した内皮細胞の抽出物を調製し、NK4ビーズと反応させてpull down assayを行った。その結果、ビオチン化された分子量38kDの分子(p38)が再現性良くNK4ビーズに結合し、0.5M NaClで溶出された。一方で、線維芽細胞の抽出物を用いた場合には、ビオチン化p38は全く認められなかった。したがって、p38はNK4とイオン結合を介して結合していて、さらにその結合は内皮細胞特異的であることがわかった。
そこで、p38蛋白のアミノ酸配列を決定するために、内皮細胞の抽出物を大量に準備し、大量にp38を調製した。調製したp38をSDS-PAGEで分離し、p38のバンドを切り出し、LC-MS/MS分析を行ったところ、p38は主に核内に存在する既知のリン酸化蛋白であることがわかった。しかしながら、p38に対する特異的抗体を用いて行った解析の結果、p38はビオチン化されていて、かつ内皮細胞特異的にNK4に結合することが確認された。したがって、p38がNK4の血管新生阻害活性に関与している可能性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Daisaku Tomioka: "Inhibition of growth, invasion and metastasis of human panereatic carcinoma cells by NK4 in an orthotopic mouse model"Cancer Research. 61. 7518-7524 (2001)

  • [文献書誌] Naoki Maehara: "NK4, a four-kringle antagonist of HGP, inhibits spreading and invasion of human pancreatic cancer cells"British Journal of Cancer. 84. 864-873 (2001)

  • [文献書誌] 久場 敬司: "HGFによる器官再生とNK4による制癌"タンパク質研究の最前線-探索から機能解析へ. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 久場 敬司: "NK4の血管新生阻害活性と癌浸潤・転移阻止効果"肝胆膵. 45・4(印刷中). (2002)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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