年間1000イベント程度観測されるガンマ線バースト(GRB)は宇宙論的距離で起こる宇宙で最も明るい現象であるが、その正体は現在未解明である。一方ここ数年、GRBに非常に良く似たX線フラッシュ(XRF)という現象が日本の衛星であるHETE2によって数多く発見され出している。主な違いはX線で光るという点だけで、XRFの正体も未解明である。GRBとの類似点が多いことから、両者の関連が議論されている。本論文では、XRFはGRBであり、ジェット状をしたGRBを見込む角度が大きい場合にXRFとして観測されるとする統一モデルを提唱する。我々は相対論的ジェットを色々な角度から見た時にどのように見えるかを計算し、XRFがX線で光ることや他の観測量(spectral hardness、photon index、持続時間、発生頻度等)を再現することが出来た。またXRFは大きなスペクトル遅れと低い変動度を持つことなどが予言できる。この結果は論文として発表し掲載された。 ガンマ線バーストでは、典型的なエネルギーやバーストの継続時間などの観測量がlognormal分布をすることが知られている。観測量が幾つかの変数の積で表される場合、redshiftを考慮にいれても自然にlognormalが再現されることを示した。この結果は論文として発表し掲載された。
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