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2002 年度 実績報告書

尖点形式に付随するL関数の平均値理論とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 01J01381
研究機関名古屋大学

研究代表者

神谷 諭一  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 特別研究員(PD) (90553412)

キーワードリーマンゼータ関数 / リンデレーフ予想 / 平均値理論 / 関数解析
研究概要

整数論という研究分野において様々なL関数が考察されており,重要な役割を果している.尖点形式に付随するL関数もそれらのうちの一つである.L関数の原型となるものがリーマンゼータ関数であり,この関数の導入によって整数論は著しく発展した.同時に,リーマンゼータ関数の研究は現在でも極めて重要であり,この関数に対する二大予想,リーマン予想とリンデレーフ予想の解決のために多くの試みがなされている.本年度はリンデレーフ予想に対して関数解析的な立場から研究を行った.関数解析的にL関数を捉えるという試みがHelson氏によってなされており,この捉え方を応用してリンデレーフ予想の同値条件を得た.即ち,通常,リーマンゼータ関数は複素関数であるが,あるバナッハ環を導入しそれ上の有界線型汎関数と捉えることによってリンデレーフ予想を汎関数の満たすべき条件に解釈しなおした.このような立場からリンデレーフ予想に接近する研究はこれまでになく,興味深いのではないかと思われる.一方,リーマンゼータ関数の平均値についても有界線型汎関数の言葉で解釈できることがわかった.即ち,平均値はあるバナッハ環の共役空間におけるノルムとみなすことができる.整数論と関数解析という異なる分野に接点を見出すことができたのは一つの成果であると思われ,今後もこの方向で研究を押し進めて行きたい.尚,得られた結果は二編の論文にまとめ,現在,雑誌社に投稿中である.

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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