研究概要 |
本年度は、(1)浄瑠璃本所在調査/書誌研究、(2)浄瑠璃番付資料の研究、(3)前記2項に関する論文執筆を行なった。 【(1)浄瑠璃本所在調査】では、東京都以外の地方へ、科研費補助金(特別研究員奨励費)により8回、研究奨励金により3回の、計11回の調査旅行を行なった。 結果、関東4機関をはじめ、中部(6)、中国・四国(5)、九州(13)各地方の、39機関の所在を確認した(( )内は、機関数)。現物を手にして、全1,549冊を、実地に調査した。昨年度までに調査を終えた約15,000冊と併せて、比較・考量し、書誌研究を行ない、いくつかの新見を得た。 【(2)浄瑠璃番付資料の研究】では昨年度に引き続き、研究指導者:国文学研究資料館・武井協三教授の指導の下、国文学研究資料館所蔵分、および早稲田大学文学部・内山美樹子教授の指導の下、徳島県板野郡松茂町:松茂町立人形浄瑠璃芝居資料館所蔵分の、浄瑠璃番付の資料整理および研究を行なった。後者は、次年度も引き続き、研究する。 【(3)前記2項に関する論文執筆】では、11.研究発表に記載の3点を発表するほかに、「浄瑠璃本出板」(『国文学 解釈と教材の研究』「近松」特集号、學燈社、2002年5月所収)を発表した。また(1)に基づいて、口頭発表「浄瑠璃本板木の移動(西沢九左衛門から玉水源次郎へ)-正本屋西沢小兵衛と万屋保井仁右衛門の関わり-」(日本近世文学会、平成14年度春季大会(会場・成城大学)2002年6月9日)を行なった。
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