平成13年4月に、実験住宅が完成し、(1)日射量、(2)雨量、(3)太陽半発電量、(4)雨水の貯留および再利用、(5)設計上の工夫をこらした外壁の室温調整機能効果、(6)屋内の空気循環システムの効果、についての測定を開始した。(1)〜(4)については、データ収集用パソコンを実験住宅内に設置し、それぞれのデータを記録している。(5)については、1ヶ月分の温湿度の測定値を、ロガーに記録し、継続的に1ヶ月に一度、データの引き上げを行っている。 研究2年目の昨年度は、測定結果より夏期における太陽光発電の結果を「実験住宅における太陽光発電の有効性評価と木津町中央地区への展開」としてまとめた。その中では、太陽光発電による発電量と、設計の工夫による冷房負荷削減、それらによるエネルギー負荷削減への有効性を明らかにした。 また、雨水の貯留と再利用に関するデータを検証し、先に記した太陽光発電の効果に関する考察と同じく、雨水タンクの環境負荷削減に対する有効性を示した。現在、その結果を論文としてまとめているところである。 本年度は、環境負荷削減に考慮した実験住宅のデータを基に、街区規模での評価を行った。 と、同時に、本研究の課題である「環境共生の概念探求と計画化」のために、これまでの都市計画に関する調査を行ってきた成果を、論文などで発表した。その上で、これからの環境共生都市・地域づくりを考え、概念化とその手法を提案する論文である「環境共生の理念分析とその計画化」をまとめ上げた。
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