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2002 年度 実績報告書

脱着可能な親水基2-ピリジルシリル基を用いた完全水相系での有機合成反応

研究課題

研究課題/領域番号 01J03867
研究機関京都大学

研究代表者

野上 敏材  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード水 / 親水基 / ラジカル重合 / Mizoroki-Heck反応 / クロスカップリング反応
研究概要

近年、水を溶媒として用いた有機合成反応が水の特性や利点から注目されている。しかし有機化合物の水への溶解度の低さが反応を行う上で1つのハードルとなっている。我々は2-ピリジルシリル基を導入した化合物が酸性条件下で水相に移動する点に着目し、これらの化合物は水中での反応に用いることが出来るのではないかと考え、モデル反応として水中でのDiels-Alder反応を行った。反応後2-ピリジルシリル基は化合物から選択的に除去可能であるが、さらに着脱可能なだけではなく2-ピリジルシリル基を用いた炭素-炭素結合形成反応を開発することでその有用性を高めた。今回、2-ピリジルシリル基を有するスチレン誘導体を合成し、水中でのラジカル重合を行ってポリマーを得た。また得られたポリマーの2-ピリジルシリル基を利用したポリマーの分子変換を行った。
塩酸水溶液中、上記のモノマーを水に溶解させて重合条件の検討を行った。ラジカル開始剤としてトリエチルボランを添加してラジカル重合を行ったところ、重合は室温で進行し比較的分子量分布の制御されたポリマーが得られた。
得られたポリマーは側鎖に2-ピリジルシリル基を有することからパラジウム触媒を用いたMizoroki-Heck反応、Hiyamaカップリング反応によって分子変換可能であるが、さらに触媒系の検討を行うことで側鎖に種々の置換基を効率的かつ立体選択的に導入することが出来た。また2つの反応を連続的に行うことでポリマー側鎖にトリアリールエテン骨格を形成することも出来、これまでに無い新たなポリマーの合成方法を確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Itami: "2-Pyridyldimethylsilyl Group as a Removable Hydrophilic Group in Aqueous Organic Reactions : Formation of Molecular Aggregates and Dramatic Rate Enhancement in Diels-Alder Reactions"Advanced Synthesis & Catalysis. 344(3+4). 441-451 (2002)

  • [文献書誌] K.Itami: "Pyridylsilyl group-driven cross-coupling reactions"Journal of Organometallic Chemistry. 653. 105-113 (2002)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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