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2003 年度 実績報告書

イネ科植物における耐病性因子の発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01J03902
研究機関京都大学

研究代表者

野村 泰治  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード環状ヒドロキサム酸 / 生合成遺伝子 / 6倍性コムギ / 2倍性コムギ / 倍数化
研究概要

環状ヒドロキサム酸(Hx)類はコムギやライムギ等の多くのイネ科植物が蓄積する抗菌性化合物である。6倍性植物であるパンコムギ(2n=6x=42,AABBDD)におけるHx生合成制御機構を解明する上で、祖先2倍種(2n=2x=14,AA,SS,DD)におけるHx生合成様式を明らかにすることは重要であると考えられる。そこで、祖先2倍種におけるHx類の蓄積様式および生合成遺伝子の構成を詳細に解析した。
Hx類を高濃度に蓄積する播種後1-5日目の芽生えにおけるHx蓄積量をHPLCにより定量した。その結果、Aゲノム種(Triticum monococcum, T.urartu)はDIBOA-glucosideのみを蓄積するのに対して、Dゲノム種(Aegilops squarrosa)はDIMBOA-glucosideを主に蓄積していた。Sゲノム種(Ae.speltoides)ではアクセッション間で主要Hxに多様性が見られた。これらの中で、Sゲノム種のHx蓄積量が最も多かったことから、6倍性パンコムギにおけるHx生合成にはBゲノムの寄与が最も大きいことが示唆された。
一方で、野生Aゲノム2倍種であるT.boeoticumはHx類を蓄積しないことが明らかになった。そこで、Hx類が見られなかったT.boeoticumの5アクセッションについてサザン分析を行ったところ、2種は生合成遺伝子座(TaBx1-TaBx5)のうちTaBx3,TaBx4遺伝子座を欠失し、3種は生合成遺伝子座を全て保持していることが示された。RT-PCRにより遺伝子発現の有無を調べたところ、前者の2種ではTaBx1,TaBx2およびTaBx5のいずれも発現していることが分かった。また、後者の3種においても5種の遺伝子全てが発現していた。このことから、これら3つの種では生合成遺伝子は発現しているものの、コード領域の変異によりHx生合成能を欠損していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nomura et al.: "Rearrangement of the genes for the biosynthesis of benzoxazinones in the evolution of Triticeae species"Planta. 217. 776-782 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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