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2003 年度 実績報告書

ギリシア、ヘレニズム美術におけるパトロネージの推移に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01J04919
研究機関東京大学

研究代表者

芳賀 京子 (仙石 京子)  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)

キーワード美術史 / 考古学 / 古代史 / 国際情報交換 / ギリシア:イタリア:トルコ:ドイツ / パトロネージ / 芸術 / 彫刻
研究概要

ヘレニズム美術におけるパトロネージの問題は、時代と地域によって3つに大別される。第一に、紀元前4世紀のペルシア帝国支配下の小アジアの諸国。第二に、ヘレニズム盛期における君主たちおよびギリシア諸ポリスによる芸術保護。第三に、ヘレニズム後期におけるローマ人たちによるギリシア美術の受容。この3つのトピックに対し、今年度は以下の研究を行った。
1.紀元前4世紀中葉、小アジアのカリア王がギリシア人彫刻家の招聘し、彼らに正当な評価を下していたことを論文「紀元前四世紀のギリシア人彫刻家たちの同時代的評価」にまとめ、これにさらにカリア地方、リュキア地方のその他の事例も考察に加えて英文論文"The four sculptors and the main facade of the Mausoleum at Halikamassus"を執筆した。
2.これまでは各時代・各地域のパトロネージをばらばらに考察していたため、今年度はそれらを統合する研究も試みた。パトロンが彫刻家に作らせたのは、オリジナルな作品だけではない。大部分はむしろ、有名作品のコピーであった。紀元前5世紀の彫刻家アルカメネス作のヘルマ柱は、各時代・各地城でコピーされた。そのため、このコピーを順を追って検討することにより、紀元前4世紀から紀元後2世紀までの彫刻家の立場の変化、注文主の考え方の変遷を追うことが可能となる。その成果を、論文「コピー作品における芸術家の独創と注文主の創意」にまとめた。
3.都市ロドスにおけるパトロネージと彫刻家の動向について、一昨年完成させた論文『ロドス島の古代彫刻に関する研究』にさらに筆を加え、出版準備を進めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 芳賀 京子: "紀元前四世紀のギリシアの彫刻家たちの同時代的評価-レオカレス、スコパス、ティモテオス、ブリュアクシス-"美術史. 154. 277-290 (2003)

  • [文献書誌] 芳賀 京子: "共和政期のローマにおけるギリシア人彫刻家とローマ人注文主-オクタウィアの柱廊周辺の三つの神殿の場合-"地中海学研究. 26. 3-26 (2003)

  • [文献書誌] 芳賀 京子: "コピー作品における彫刻家の独創と注文主の創意-アルカメネス作のヘルマ柱の場合-"西洋美術研究. 10(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Kyoko Sengoku-Haga: "The four sculptors and the main facade of the Mausoleum at Halikarnassus"Silk Road Art and Archaeology. 10(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] Kyoko Sengoku-Haga: "A Portrait Head of a Boy found in the Roman Villa at Cazzanello"東京大学文学部文化交流研究室紀要. 16(出版予定). (2000)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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