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2003 年度 実績報告書

クロロフィル蛍光動画像計測を用いた植物診断

研究課題

研究課題/領域番号 01J06444
研究機関東京大学

研究代表者

高山 弘太郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードクロロフィル蛍光画像 / 熱赤外画像 / 光合成 / 気孔コンダクタンス / in situ / 電子伝達率 / 非光化学的クエンチング / 葉内CO_2濃度
研究概要

クロロフィル蛍光は,光合成の光化学系から直接発せられる蛍光であり,植物葉のクロロフィル蛍光画像を計測することにより光合成活性(電子伝達率や熱放散活性)の葉面上での不均一な分布を評価できる。一方で,葉面温度は植物の気孔を介したガス交換を反映しているため,環境条件(温度・湿度・気流・長波放射・短波放射等)を厳密に制御した計測用チャンバー内で計測された葉面の熱赤外画像から気孔コンダクタンス画像を算出することができる。
本研究では,クロロフィル蛍光画像および熱赤外画像の同時計測システムを用いて,異なる光強度条件下(弱光,中程度の光強度,強光)においてアブシシン酸処理を行い,光合成電子伝達率(Φ_<PS II>)画像および吸収した光エネルギーの熱としての放散を示す(NPQ)画像,気孔コンダクタンス画像を経時的に計測した。
弱光条件下では気孔コンダクタンスが低下しても,電子伝達率および熱放散活性は変化しなかった。中程度の光強度条件下では,気孔コンダクタンスがわずかに低下しても電子伝達率および熱放散活性は変化しなかったが,特定の閾値以下にまで気孔コンダクタンスが低下すると,電子伝達率は低下し,熱放散活性が上昇した。強光条件下では,気孔コンダクタンスがわずかに低下しただけで,電子伝達率が減少し,熱放散活性が高まった。
このことから,気孔閉鎖によって吸収した光エネルギーが余剰になった場合,その余剰分がわずかなときには主に光呼吸によって余剰光エネルギーを消費したものと考えられ,気孔がさらに閉鎖し吸収した光エネルギーを光合成および光呼吸で消費しきれなくなると,過剰電子がWater-waterサイクル等に流れ,熱放散活性を大きくして過剰光エネルギーを熱として放散していることを始めて画像を用いて示された。また,熱放散活性が大きくなる気孔コンダクタンスの閾値は光強度条件により異なることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kotaro Takayama: "Diagnosis of invisible photosynthetic injury caused by a herbicide (Basta) with chlorophyll fluorescence imaging system"Agricultural Engineering International : the CIGR Journal of Scientific Research and Development. 5(14). 1-12 (2003)

  • [文献書誌] Kenji Omasa: "Simultaneous measurement of stomatal conductance, non-photochemical quenching, and photochemical yield of photosystem II in intact leaves by thermal and chlorophyll fluorescence imaging"Plant and Cell Physiology. 44(12). 1290-1300 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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