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2001 年度 実績報告書

ミトコンドリアRNA異常による疾患の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 01J06491
研究機関東京大学

研究代表者

日野 成実  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードアミノグリコシド系抗生物質 / ミトコンドリア / 難聴
研究概要

ミトコンドリアゲノム上のミトコンドリア12SrRNA遺伝子内のA1555G変異は難聴の症状を示す。ストレプトマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質は、正常人でも投与量が多いと難聴をもたらすが、A1555G変異はアミノグリコシド系抗生物質に対する感受性を高め、難聴誘発閾値量以下の投与量でも難聴を発症させる。
ミトコンドリア12SrRNAは大腸菌16SrRNAと相同性が高く、1555位は大腸菌ではA1491(難聴患者型)である。そこで、大腸菌を患者のモデル生物として見立て、アミノグリコシド系抗生物質に関する詳細な解析を行うことにした。患者のモデルとしては野生型の大腸菌、正常人のモデルとして大腸菌の16SrRNAのA1491をGに置換したものを使用することにした。本年度はこの正常人型の大腸菌をrRNAのオペロンがすべて欠損した大腸菌をつかって作製した。この2つの大腸菌を使ってアミノグリコシド系抗生物質に対する感受性の変化を見たところ、野生型に比べ、A1491G変異型のほうが耐性度が強いことが明らかになった。このことから、本来ミトコンドリア12SrRNAはアミノグリコシド系抗生物質に対し、ある程度の耐性があるが、1塩基置換により耐性度が低下することが考えられる。
細胞レベルでアミノグリコシド系抗生物質に対する感受性が、A1555G変異により変化するのかを確かめた。核ゲノムの影響を排除するため、核をHeLa細胞のものに置き換えた人工融合細胞サイブリドを使って調べた。その結果ストレプトマイシン存在下では、正常な配列のミトコンドリアDNAを持つ細胞よりA1555G変異をもつ細胞の方が、ミトコンドリア呼吸鎖酵素活性が低下しており、より強い生育阻害がみられた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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