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2002 年度 実績報告書

銀河形成期の星形成の理論

研究課題

研究課題/領域番号 01J06819
研究機関国立天文台

研究代表者

大向 一行  国立天文台, 理論天文学研究系, 特別研究員(PD)

キーワード宇宙論 / 銀河形成 / 星形成
研究概要

宇宙で最初に形成された星は、その後の宇宙の進化において、たとえば重元素汚染や宇宙の再電離といったようにきわめて重要な影響を与える可能性がある。そこで、本研究では第一世代星の形成過程を解析することにより、第一世代星の質量などの性質を明らかにした。
星は高密度ガス雲の収縮の結果、まず原始星が形成され、次にその原始星上に周囲のガスが降着することにより質量を増し、最終的に核燃焼により光る主系列星となる。本年度の研究では、この過程のうち、とくに後期の降着過程を数値計算により解析した。その結果、第一世代星の材料となる始原ガスは輻射に対する不透明度が小さいため、中心星からの輻射圧をあまり受けず、中心星が大質量となっても降着は輻射圧によって止められることなく続くことが分かった。このことと第一世代星の周りのガスが極めて多いことから、第一世代星は主系列星としての寿命の間、ずっと降着によって太り続け、最終的に約600太陽質量になることが分かった。第一世代星が大質量であることはその後の宇宙の進化に大きな影響を与えることとなる、極めて重要な発見である。
次に、第一世代星と、以後の星形成を分ける微量の重元素の効果について、ガス雲の収縮、分裂過程を調べることにより考察した。その結果、太陽のわずか10万分の1の重元素量しか含まないガスであっても重元素が宇宙塵の形をとっておれば太陽質量程度の小質量星形成が可能であることを見出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Omukai, K., Inutsuka, S.: "An Upper Limit on the Mass of a Primordial Star due to the Formation of an HII Region"Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 332. 59-64 (2002)

  • [文献書誌] Omukai, K., Palla, F.: "Formation of the First Stars by Accretion"The Astrophysical Journal. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] R.Schneider, A.Ferrara, P.Natarajan, K.Omukai: "First Stars, Very Massive Black Holes, and Metals"The Astrophysical Journal. 571. 30-39 (2002)

  • [文献書誌] R.Schneider, A.Ferrara, R.Salvaterra, K.Omukai, V.Bromm: "Low-mass Relics of Early Star Formation"Nature. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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