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2002 年度 実績報告書

リスクと連帯の社会学-社会システム理論による地域環境保全活動の日独比較研究-

研究課題

研究課題/領域番号 01J07950
研究機関東北大学

研究代表者

小松 丈晃  東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードリスク論 / 社会システム論 / グリーン・ツーリズム / 農家で休暇を / ルーマン
研究概要

まず(1)昨年度の研究成果を受け、リスクと危険ならびに決定者と被影響者の区別に焦点を当てるルーマンのリスク論の意義を確認するためには、決定者と被影響者との間に形作られる「公共」に関する社会システム理論的把握が必要であることに鑑みて、「ルーマン理論における「公共」」を執筆し、セカンド・オーダーの観察を政治システムに促す装置としての公共という基本的視角を描き出した。また、(2)著書『リスク論のルーマン』(勁草書房、6月刊行予定)においては、環境リスクを題材にしながら、ルーマンの社会システム理論の有する「批判力」を、「ありそうになさの公理」を基軸として描き出している。また本書では、この社会システム理論が抗議運動をポジティブに評価しているというこれまで看過されてきた論点にも触れている。次に、こうした理論研究を踏まえつつ、(3)リスクの問題、とくに食に纏わる数々のリスクの問題は、グローバリゼーションの動向を背景にしながら深刻化してきているが、そうした中にあってグリーン・ツーリズムを含めた、所謂「地産地消」を目指す運動は注目に値する。本年度は、宮城県小野田町に焦点を絞り、本町の幾つかの農家民宿を生み出す母体となった直売組織「さんちゃん会」ならびにその核となった勉強会(「笑耕会」)の会の性格・歴史などについて聴き取りを行った。さらに(4)こうした日本におけるグリーン・ツーリズムをドイツの「農家で休暇を」事業と比較するため、メックレンブルク・フォアポメルン州内カレンツ地区ならびにランゲンブリュッツ地区の農家民宿、ならびに、バイエルン州ニュルンベルク近郊のクラインガルテンを対象に、現在の経営状況、展開過程、生活史等を中心にヒアリングを実施した(成果については、6月頃公表予定)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小松丈晃: "ルーマン理論における「公共」"文化. 66巻1・2号. 109-129 (2002)

  • [文献書誌] 小松丈晃: "リスク論のルーマン"勁草書房(予定). (2003)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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