• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

アリ-アブラムシ共生関係における進化過程

研究課題

研究課題/領域番号 01J10577
研究機関北海道大学

研究代表者

八尾 泉  北海道大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードアリ / アブラムシ / 共生関係 / マイクロサテライト / 甘露 / アミノ酸 / 季節変化 / 師管液
研究概要

アブラムシ甘露と寄主植物師管液のアミノ酸分析・・・アブラムシが吸汁している植物師管液は季節の推移と共に栄養状態が変化する。このことからアブラムシが排泄する甘露も師管液の季節変化と同様の挙動が予想される。そこで3種のアブラムシ(カシワホシブチアブラムシ,クリオオアブラムシ,ナナカマドヒゲナガアブラムシ)とそれぞれの寄主植物からEDTA溶液により師管液を抽出し,アミノ酸分析を行った。その結果,全ての寄主植物の栄養状態は早春がとても高く,初夏に向かって急激に落ち込むことがわかった。さらに初秋になるとアミノ酸濃度がやや高く,盛夏の頃より回復していることが明らかになった。これら師管液と相関してそれぞれのアブラムシの甘露のアミノ酸濃度も春が最も高く,夏には低くなることが示された。数種のアブラムシはアリが随伴していることが多く,アリは甘露を採餌している。栄養状態が貧弱な甘露を排出することはアブラムシが捕食される可能性が高くなる。甘露と寄主植物のアミノ酸濃度の季節変化はアリ-アブラムシ-植物の三者関係の研究に大きく貢献すると考えられる。
アブラムシのマイクロサテライトDNAマーカーの開発・・・上記の研究からアブラムシは季節の推移と共に深刻な栄養不足に陥っていることが示された。この状況を乗り切るためにアブラムシは1本の木の中でもより栄養状態が高い葉に集まることが予想される。ある葉では複数の遺伝子型からなるアブラムシコロニーが形成されている可能性がある。そこでこれらのアブラムシを識別するために多型性に優れたマイクロサテライトマーカーを開発した。マイクロサテライトマーカーの単離には磁性粒子を用いた。その結果,従来の方法より数倍効率よくマイクロサテライトの単離に成功した。単離したマイクロサテライトDNAで北海道内の複数の集団で多型をチェックしたところ現在まで4つのプライマーで複数の対立遺伝子が存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Izumi Yao: "Flexibility in the composition and concentration of amino acids in honeydew of the drepanosiphid aphid Tuberculatus quercicola"Ecological Entomology. 27. 745-752 (2002)

URL: 

公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi