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2002 年度 実績報告書

分子内転位反応を用いたアザジラクチンの全合成

研究課題

研究課題/領域番号 01J10771
研究機関北海道大学

研究代表者

福崎 剛広  北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードアザジラクチン / クライゼン転位反応
研究概要

本研究はアザジラクチンの全合成を目指す上で最大の課題であるC8-C14位間の構築をクライゼン転位反応にて行うことを鍵反応としている。本年度は転位前駆体として五員環ラクトンを有するモデル化合物の合成、及びこれを用いての転位反応の検討を行い、また更に実際の天然物合成に適用可能な系において合成を進めた。
転位反応については、種々の塩基、シリル試薬、溶媒等の検討の結果、ジクロロジメチルシラン、リチウムビストリメチルアミドを用いてトルエン中で転位反応を行うことにより、約4:1で望みの転位体を優先させることに成功した。この結果は、リチウムエノレート中間体において、リチウム原子と左側デカリンフラグメントの持つ五員環ラクトンのカルボニル酸素に配位したシリル基と配位するにより望むZ-シリルケテンアセタールが優先して生じ、これが転位することにより得られたものと考えている。このように、クライゼン転位反応においてキレート効果を利用した例はかつてないものであり、全合成へ向けて非常に有用な知見を得ることが出来た。また、Z-シリルケテンアセタールからイス型遷移状態を経て転位反応が進行することは対応するメチルシリルケテンアセタールにおけるNMR解析から支持された。
また、デカリン部位について合成を進め、マロン酸ジエチルから18段階でトリメチルシリルエチルエステルを有するディールズ-アルダー反応前駆体を合成し、この環化体を四フッ化ケイ素で処理することで望みのカルボン酸を得ることが出来た。更に、このカルボン酸をアセタール部位とカップリング、転位反応を行い、構造未決定ではあるが転位反応が進行することを見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福崎 剛広: "Studies Aimed at the Total Synthesis of Azadirachtin. A Modeled Connection of C-8 and C-14 in Azadirachtin"Organic Letters. 4・17. 2877-2880 (2002)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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