研究概要 |
タンパク質間相互作用と各部位のアミノ酸配列の関係を知るために、モデルとしてcalm odatinやtroponin Cに代表されるダンベル型タンパク質の電荷分布に注目して研究を行っている。ダンベル型タンパク質は水溶液中でも伸びた形をしているのが特徴で、これはアミノ酸配列上でN, C両末端の球状部位の斥力によることがわかった。また、中心部にあるヘリックスは両親媒性の高いアミノ酸が多く存在することがわかった。以上のようなアミノ酸配列の特徴をもつタンパク質を75種の生物ゲノム(eukaryotes6種、eubacteria57種、archaea12種)から抽出した。その結果、モデルタンパク質としたcalmodulin troponin Cの他にhistoneやribosomal proteinなどのDNA-,RNA-binding proteinも多く見られた。立体構造既知のタンパク質の形を見ると、これらは伸びた形のものが多く、実際にアミノ酸配列のN, C両末端部位の斥力によってタンパクの形が決まっていることが示唆される。また、ゲノムから抽出されたタンパクの多くが何らかの分子を制御する役割を担っており、機能との結びつきも考えることができる。以上の内容について現在、論文を投稿中である。
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