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2002 年度 実績報告書

発癌に関与するユビキチンリガーゼBRCA1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 01J60075
研究機関九州大学

研究代表者

松本 雅記  九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)

キーワードユビキチン / プロテアソーム / タンパク質分解
研究概要

ユビキチン・プロテアソーム系はエネルギー依存的な細胞内タンパク質分解機構である。ユビキチン分子が複数個付加された基質分子はプロテアソームによって認識され迅速に分解を受ける。基質分子へのユビキチン鎖の付加はE1,E2,およびE3と呼ばれる複合酵素系によって行われるが、この中で基質分子の認識を行うのがE3(ユビキチンリガーゼ)である。本研究ではE3の一つである癌抑制遺伝子産物BRCA1の基質分子の同定が最終目的の一つである。しかしながら、ユビキチン化は複雑な酵素系によって行われるため通常の方法では困難であった。そこで、細胞内に認められるユビキチン化基質の網羅的同定を最新のプロテオミクス技術を用いて行うことを試みた。
ユビキチン化タンパク質はプロテアソームによる分解によって不安定であるため、培養細胞をプロテアソーム阻害剤にて処理することでユビキチン化タンパク質を細胞内に蓄積させた。これらの細胞から細胞抽出液を得た。細胞抽出液からユビキチン化タンパク質を回収するために抗ユビキチン抗体を固定したカラムを作製しアフィニティークロマトグラフィーを行った。抗ユビキチン抗体カラムに濃縮されたタンパク質はSDS-PAGE後in-gel消化後質量分析計によるタンパク質の同定を行った。その結果、約100種類のタンパク質を同定することが可能であった。またより効率的にタンパク質の同定を行うために多次元クロマトグラフィーと質量分析計を組み合わせたショットガンプロテオミクス法により約200種類のタンパク質の同定を行った。これらの方法で得られたタンパク質はユビキチン結合タンパク質が多く含まれていたのでこれらを除去する目的でタンパク質複合体が解離する条件にて同様のアフィニティークロマトグラフィーを行った。この条件においてはユビキチン結合タンパク質はほとんど認められず、効率的にユビキチン化タンパク質の濃縮が可能になったことが示された。現在、これらの網羅的タンパク質同定システムに定量情報を付加するための技術開発も行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松本雅記, 中山敬一: "ポリグルタミン病とユビキチン・プロテアソーム系によるタンパク質分解"神経研究の進歩. Vol.46No.5. 681-695 (2002)

  • [文献書誌] C.Kaneko, S.Hatakeyama, M.Matsumoto, M.Yada, K.Nakayama, K.I.Nakayama: "Characterization of the mouse gene for the U-box-type ubiquitin ligase UFD2a"Biochemical and Biophysical Research Communications. 300. 297-304 (2002)

  • [文献書誌] 松本雅記, 中山敬一: "注目のプロテオミクスの全貌を知る「発生工学プロテオミクス」"磯辺俊明, 高橋信弘 編集(洋土社). 241 (2003)

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公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

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