• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

スズキ目魚類の進化に関する分子系統学的剣研究

研究課題

研究課題/領域番号 01J72503
研究機関東京大学

研究代表者

馬渕 浩司  東京大学, 海洋研究所, 特別研究員(PD)

キーワードスズキ目 / ベラ亜目 / 分子系統学 / ミトコンドリアゲノム
研究概要

本研究では、スズキ目の中でも特に、特殊な咽頭顎器官の共有により単系統群とされているベラ亜目に注目して、その系統的実体を分子系統学的手法により解明し、さらにそれに基づいて咽頭顎器官の進化過程を正しく解明することを目的としている。本年度は、ベラ亜目全6科のうち昨年まで未解析であったオダクス科とブダイ科からそれぞれ代表種1種のミトコンドリアゲノム全塩基配列を決定し、ベラ亜目全科からのタクソンサンプリングを完了することができた。これらのデータを、共同研究者とともに収集している他のスズキ目魚類約100種の配列データと合わせ暫定的に系統解析を行ったところ、ベラ亜目は系統的に離れた少なくとも2グループを含んでいることが明らかとなった。一つは、ベラ科、ブダイ科、オダクス科からなるグループで、もう一つは、ススメダイ科、カワスズメ科、ウミタナゴ科を含むグループである。ここまでの結果から、ベラ亜目を定義づけていた特殊な咽頭顎器官は、スズキ目の進化史の中で独立に少なくとも2回は生じたことになる。咽頭顎器官の進化過程についてより具体的に語るには、これら2グループの姉妹群がそれぞれどのような魚類であるかが問題となるが、この問題については、来年度、適切なタクソンサンプリングを通しアプローチする計画である。
本年度は、上記の研究成果の他に、ブダイ科のミトコンドリアゲノムにおける特異な遺伝子配置変動パターンの発見や、ベラ科のササノハベラ属、イラ属における近縁種間の遺伝的比較においても興味深い成果が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 馬渕浩司: "南日本産ササノハベラ属2種の核型および核DNA量"魚類学雑誌. 49・2. 87-95 (2002)

  • [文献書誌] MABUCHI, Kohji: "Genetic comparison of two Choerodon (Osteichthyes : Perciformes : Labridae) color-types from the southern coasts of Japan"Species Diversity. 7. 387-392 (2002)

  • [文献書誌] MIYA, Masaki: "Major patterns of higher teleostean phylogenies : a new perspective based on 100 complete mitochondrial DNA sequences"Molecular Phylogenetics and Evolution. 26・1. 121-138 (2003)

URL: 

公開日: 2004-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi