研究分担者 |
KAVOTA K.S. C. R. S. N(ザイール), 研究員
WAFULA Mifun C. R. S. N(ザイール), 研究員
ZANA Ndonton C. R. S. N(自然科学研究所)(ザィール), 所長
西村 太志 東北大学, 理学部, 学振特別研究員 (40222187)
森田 裕一 東北大学, 理学部, 助手 (30220073)
林 信太郎 秋田大学, 教育学部, 助教授 (90180968)
笠原 稔 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001846)
田中 和夫 弘前大学, 理学部, 教授 (40003511)
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研究概要 |
この調査は,(1)ホットスポット火山の深部マグマの上昇過程,及び(2)ニイラゴンゴ・ニアムラギラ火山の噴火活動を明らかにすることを目標としている。前者の目標については20Hzから370秒に渡って一様な感度をもつ広帯域CMGー3型地震計をルイロ(LWI)地震観測点に設置し,16ビット,20Hzのサンプリングで連続集録を開始した。デ-タはIGBの容量をもつDAT記録計をもちいて集録している。火山深部で発生する地震,微動や遠地地震のデ-タがこれから2年間に渡って蓄積される予定になっている。具体的な解析はこれからの問題として残されている。後者の火山噴火活動については従来からの野外調査を継続して実施しているので,いくつかの興味ある結果が得られつつある。それらの要約を以下に記す。(イ)ニアムラギラ火口での光波測量の結果は,火口が1980年以来南北方向に約40cm伸張し,火口の膨張は依然として進行している。このことは1930年代と類似の山頂カルデラ内の溶岩湖活動の再開の可能性を示唆するものと解釈される。(ロ)1989年山頂カルデラ内の割日噴火活動は,噴出物の分布や層序の解析から,既存のピットクレ-タ-内部での大量の溶岩流出が続行したにもかかわらず,割れ目噴火は継続したことが明かになった。(ハ)岩石化学組成のXRF分析から,最近10数年間,時間とともにマグマの化学 成は未分化になっていることが明かとなった。1986年の噴火の際に同じ傾向の組成変化が一噴火の期間内に起きているので,噴火は単一の垂直方向に化学組成が変化するようなマグマ溜りに由来していると推定される。(ニ)1990年11月20日に過去40年ぶりに大きい火山性地震(M=4)が発生し,臨時地震観測でYの震源が精密に決定された。震源はニイラゴンゴ南麓の割れ目に位置し,ニイラゴンゴ火山活動の再開との関連で注目に価する。
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