研究分担者 |
シャアス シャウキ シリア国立アレッポ博物館, 主住研究員
赤羽 貞幸 信州大学, 教育学部, 助教授 (40089090)
中村 徹 筑波大学, 農林学系, 構師 (60015881)
浅野 一郎 早稲田大学埋蔵文化財調査室, 調査員
脇田 重雄 (財)古代オリエント博物館, 研究員 (00175069)
西野 元 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (50208203)
|
研究概要 |
標記テ-マのもと,シリア・アラブ共和国北西部,イドリブ県所在エル、ル-ジュ盆地を対象地とする研究は,予定日程と調査内容どおりに第1年目を終了することができた。 考古学班は,盆地内遺跡群の組織的な表面採集によってそれらの年代把握に努めるとともに,個別遺跡の位置と規模とを正確にマツピングしていった。記録ずみのテルは14,遺丘数にすれば18となった。調査洞穴群は3か所である。これらの中には未登録遺跡も含まれ,新石器時代に遡るものは7遺丘であった。 新石器時代から鉄器時代に至る各時期の遺物を出土するテル・アレイでは,まず1キロメ-トル四方におよぶ範囲の地形測量図を完成させた。そのかたわら2号丘に設けた試堀抗を深さ6メ-トルまで堀り下げ、新石器時代初頭の文化変化の様相を明らかにする根拠を得た。年代測定の結果は未報告だが、ウシ・ヒツジ・ヤギ・イノシシなどの骨多数を得,家畜化のあとづけを探る手がかりもえた。 盆地内植生図ならびにそれにかかわる土嬢分布図の作成もほぼ完了し、この地が豊かな水に恵まれ自然林が発達しうる条件下にあったことも,土嬢・地形調査の結果把握できそうである。 目下2年目の調査に向け,調査結果を概括した報告書の印刷中である。
|