研究課題/領域番号 |
02041011
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 卓也 筑波大学, 歴史人類学系, 教授 (30015383)
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研究分担者 |
モハマド ルハルク シリア国立イドリブ博物館, 研究員
シャウキ シャアス シリア国立アレッポ博物館, 主任研究員
中村 徹 筑波大学, 農林学系, 講師 (60015881)
赤羽 貞幸 信州大学, 教育学部, 助教授 (40089090)
脇田 重雄 (財)古代オリエント博物館, 研究員 (00175069)
浅野 一郎 早稲田大学, 埋蔵文化財調査室, 調査員
常木 晃 東海大学, 文学部, 講師 (70192648)
西野 元 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (50208203)
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キーワード | シリア / エル・ル-ジュ / 新石器時代 / テル・アレイ / テル・アブド・エル・アジズ / 植生 / 地形 |
研究概要 |
シリア・アラブ共和国エル・ル-ジュ盆地における今次調査は、前年度調査の成果を踏まえつつ、新石器時代から青銅器時代に至る間の人びとの足どりを復原的に把握しようと、さらに分布調査に力を注ぎ,統計33遺丘を踏査することができできた。うち10遺跡,遺丘数にして14遺丘から新石器時代の遺物を採集し、この盆地の新石器時代の繁栄ぶりの一端を明らかにしえた。これらは盆地東縁部に集中する傾向も指摘された。 この地方の新石器時代から銅器時代に至る土器には、かなり顕著な地域性が認められることが明らかになったので、その間におけるこの地方の年代上の尺度を作成する必要性に迫られたわれわれは、これを果たすため,テル・アレイI号丘と、テル・アブド・エル・アジズの2遺丘のそれぞれに、5×5メ-トルの試掘抗を設けて発掘を行なった。エル・ル-ジュI号丘では,最下層のアム-クB期層に始まり、ハラフ期ごく僅かのウバイド期遺物包含層に至るシ-クエンスを、またテル・アブド・エル・アジズでは、アム-クB期新相からひろくウバイド期をカバ-する文化層を把握でき,これによって前年のテル・アレイ2号丘の成果をあわせて、土器新石器時代から銅器時代を包みこむ編年作業に見とおしを得ることができた。 地形・地質調査班は、盆地内遺跡立地の検討を進め、その類型化作業を試み、また盆地生因把握のための地質調査に入った。植物班は、盆地内植生図の作成を終え、この地方のキ-・フロ-ラともいうべきレバノン杉の生態学的検討にとり組むとともに、古ベル-ア湖中心部において、花粉・硅藻化石採取のためのボ-リングを実施し、12メ-トル分のコア・サンプルを得た。
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