研究課題/領域番号 |
02041024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾本 恵市 東京大学, 理学部, 教授 (10011503)
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研究分担者 |
〓 露萍 中国科学院, 遺伝学研究所, 助教授
杜 若甫 中国科学院, 遺伝学研究所, 教授
斎藤 成也 東京大学, 理学部, 助手 (30192587)
三澤 章吾 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50086534)
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キーワード | 中国 / 少数民族 / 集団遺伝学 / エヴェンキ族 / オロチョン族 / ダウ-ル族 |
研究概要 |
本研究は、モンゴロイド集団の起源と系統を理解する上で極めて重要である、中国東北部の少数民族であるエヴェンキ、オロチョン、ダウ-ルの3族について、初めて集団遺伝学の立場より研究を行うことを目的とする。平成3年度に予定されている本調査では、採血を行い、血液内遺伝標識を検査することになっているが、今回はそのための予備調査として、これらの諸族の分布や人口、生活状況、可能な検査場所などの調査を行った。 エヴェンキ族は人口約2万、主として内蒙古自治区のハイラ-ル市の南方のエヴェンキ族自治旗に広く分散して居住する。生業形態は元来は遊牧と狩猟で、天幕生活を行っている。われわれは、まずハイラ-ル市の南方のイ-ミンという所である程度まとまった数のエヴェンキ族の人びとを観察した。ついで、エヴェンキ族の中でももっとも伝統的な生活を送っている人びとに会うために中国の最北端に近いマングイ市に移動し、ここから大興安嶺の森林に入り、トナカイを飼育し採集狩猟をいとなむエヴェンキ族の天幕集落を訪問することができた。しかし、採血に関しては容易ではなく、オロチョン族は人口約4千、内蒙古自治区の興安嶺地帯に分散して居住する、われわれは、興安嶺の東側のオロチョン自治旗にあるガンクイという村落で、オロチョン族の人びとに会うことができた。採血にはここが適当であると判断された。ダウ-ル族は人口約9万、われわれは興安嶺東麓のモリダワにあるダウ-ル族自治旗にて村落を訪問した。ここでも民族学校があり、採血はそこで行うのが良いと判断された。
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