研究分担者 |
胡 運乾 中国科学院, 昆明植物研究所, 助理研究員
程 治英 中国科学院, 昆明植物研究所, 副教授
成 暁 中国科学院, 昆明植物研究所, 助理研究員
武 素功 中国科学院, 昆明植物研究所, 副教授
村上 哲明 東京大学, 理学部, 助手 (60192770)
加藤 雅啓 東京大学, 理学部, 助教授 (20093221)
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研究概要 |
日華植物区東区の種の多様性の解析にとって,すでに研究実績のあるシダ植物を材料にすることは大変有効である。3年計画のうち,当設年度においては次のような成果をあげた。 雲南省の各地でシダ植物の胞子を採集し、中国政府の許可を得て日本へ持ち帰り,東京大学植物園において発芽育成を行った.この研究により、50種以上について,これまで未記載であった前葉体の構造について詳細な観察を行った。生材科は順調に生育しており,胞十体が得られるようになっているので,細胞分類学的研究をはじめ,バイオシステマティクスの研究材料として用いる。 また,細胞分類学の研究材料として,現地で固定した材料を用いて観察を行っている。すでに30種以上の観察を終えており,これまでこの面での情報の欠落していた地域の植物について,貴重な知見を加えることになる。染色体数のほか、生殖型についても新らしい情報が得られている。 調査の過程で,1つの個体のうちで,無融合生殖型と有性生殖型を示唆する胞子形成を行っている株を発見した無融合生殖の進化をあとづける上で興味のある材料であり,現在胞子から前葉体を得ており,さらに育成して,分離の様式などを確かめたい。この材料を含め,イノモトソウ属における変異と生殖型については,日本の種と対比させながら中国の種について観察を進めてきたので,それらをまとめた論文を作成したい。 以上のように,成果は順調に上がりつつあり,まとまった部分から論文作成に取り組む予定である。
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