研究分担者 |
丁子 哲治 金沢大学, 工学部, 助手 (80092790)
北村 守次 石川県衛生公害研究所, 専門研究員
村本 健一郎 富山工業高等専門学校, 助教授 (70042835)
山口 幸祐 島根県衛生公害研究所, 研究員
上木 勝司 山形大学, 農学部, 助教授 (10111337)
原 宏 国立公衆衛生院, 主任研究官
程 子峰 環境監測総站(中華人民共和国), 主任
全 浩 北京市環境監測中心(中華人民共和国), 副所長
金 熈江 建国大学校, 工科大学(大韓民国), 副教授
韓 義正 国立環境研究院, 大気研究部(大韓民国), 大気化学研究官
季 敏熈 国立環境研究院, 大気研究部(大韓民国), 課長
宮崎 元一 金沢大学, 薬学部, 教授 (50009164)
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研究概要 |
わが国の日本海側地域と韓国および中国の観測結果を比較検討することによって,降水の酸性化物質の長距離輸送機構の解明とその対策などに関する調査研究を行うことを目的として,本研究を進めている。本年度は,3か年の本研究計画の初年度に当たる研究途上であるが,調査研究結果として以下のように得られた。 日本,韓国,中国の3国においてはそれぞれ独自の酸性雨モニタリングネットワ-クを設置している。しかしながら、それぞれのサンプラ-や分析方法などに多少の相違がみられる。このようなモニタリングネットワ-クによる観測デ-タを比較検討するためには,そのモニタリングネットワ-クの実状をできる限り正確に把握しておく必要がある。まず,モニタリングネットワ-クを調査し,3か国の現状を比較検討した。 毎年,春先にみられる黄砂は,中国北西部の乾燥・半乾燥地域で発生した砂漠土壌粒子が,朝鮮半島を通過し,日本列島にまで達する現象である。韓国や日本で,黄砂現象時にみられる降雨の化学成分を計測することによって,黄砂粒子が長距離輸送される過程でおこる反応を推定した。 冬季の西高東低型の気圧配置によって日本の日本海側に多量の降雪がもたらされる。このことから,日本海側で採取される降雪中には大陸起源の化学物質が含有していることが予想される。日本海側の各地での観測値と韓国で採取した降雪中の化学成分を比較し検討,含まれる化学成分の由来の推定に関する検討を行った。その結果,大陸からの季節風が強いほど降雪の酸性度が酸性度が強く,成分は中国・韓国での降水成分と類似する傾向がみられた。
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