研究分担者 |
ディンカ゛ レアシ コンゴ科学調査, 環境者・研究協力課, 課長
カララ ンセヤ ザイール自然科学研究所, 生物学部門, 主任研究員
安渓 遊地 山口大学, 教養部, 助教授 (50149027)
佐藤 弘明 琉球大学, 医学部, 助手 (40101472)
市川 光雄 京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (50115789)
丹野 正 弘前大学, 人文学部, 教授 (30092266)
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研究概要 |
アフリカの熱帯多雨林における伝統的生活と文化の特性を調べ、熱帯多雨林と人間との関係を明らかにするために,多様な現地調査を行ない,以下の結果をえた. 1.ザイ-ル国イトゥリの森にて,エフェピグミ-とレッセ族にみられる環境利用の特性について民族植物学的観点から調査を行なった。約200点あまりの植物標本について,民俗知識,利用の聞込みを行ない,また,実際の植物利用を観察した.採集した植物標本は,ザイ-ル自然科学研究センタ-にて同定を行なった.レガ族の植物利用についても同様の現地調査を行ない,資料の収集と整理を行なった.また,生業システムについて,長期住込み参与観察を行ない,デ-タを収集した. 2.ザイ-ル国マニエマ地方のソンゴ-ラおよびオンボの2集団について,哺乳類の名前をはじめとする自然認識の全体像の把握につとめた.さらに,ソンゴ-ラと同じ言語集団に属するレガ,オンボと同一の言語集団に属するゲンゲレについても比較のため哺乳類の名称を集めた.その結果,すべてのグル-プに共通する名称も見つかり,言語を異にする集団間でも地域的な共通性が大きくみられることが明らかになった. 3.コンゴ国北部のピグミ-集団の一つ,バカ族(バンベンガ)の民族医学的調査を来ない,100余りの疾病と500種類の伝統的療法を収集し,また,400種の薬用植物を記録し,標本を採集した. 4.現地調査で得られた民族植物学的ならびに民族動物学的デ-タは,各研究者において整理した後,現在京都大学大型計算機センタ-にて構築中のAFloraおよびAFauna(「アフリカの動植物の利用に関するデ-タベ-ス」)に順次インプットしており,近い将来に一般公開されることになっている.
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