研究課題/領域番号 |
02041038
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小谷 凱宣 名古屋大学, 教養部, 教授 (40111091)
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研究分担者 |
OLSCHLEGER 日本研究所(ドイツ), 研究員
出利葉 浩司 北海道開拓記念館, 事業部, 学芸員 (40142088)
切替 英雄 鳥取大学, 教養部, 助教授 (20205040)
煎本 孝 北海道大学, 文学部, 助教授 (50124227)
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キーワード | アイヌ文化 / 物質文化 / 博物館資料 / 民族学 |
研究概要 |
アメリカ合衆国およびカナダの15の博物館と2つの図書館においてアイヌ資料の観察・写真撮影および関連資料の収集を行った。これらの博物館等における観察・調査を通して、次のことが明らかになった。 1、北米東部の主要博物館のアイヌ資料は、明治初年にまず北海道拓使関係者により収集されはじめた。本格的な資料収集は明治末の20年ほどの間に限られる。 2、明治末に収集された、学術情報(収集地・収集年など)の付された資料は、北海道南部のものであり、これらはブルックリン博物館、アメリカ自然史博物館、ペンシルバニア大学博物館、スミソニアン研究機構などに保管されている。これらの収集地と年代の判明している資料は、それ自体が貴重であるだけでなく、日本国内の収集地不明アイヌ資料の再整理を可能にする潜在性をもつ学術資料であると考えられる。 3、明治末のアイヌ資料の収集には、当時北海道に在住していたジョン・バチェラ-が直接・間接に関与し、北米側ではフランツ・ボアズ、フレデリック・スタ-などの初期の北米人類学の基礎を築いた研究者も関与していたことを示す文献資料も存在することが分かってきた。ジョン・バチェラ-を中心とする、アイヌ資料収集に関連する国際協力については、いままで日本の学界関係者は看過してきた事実であり、明治年間の国際的なアイヌ文化研究の再評価が必要である。
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