研究課題
1.韓国における地震観測の開始韓国東海岸の浦項の韓国動力資源研究所の敷地に観測所を建設した。7月には、日本から地震計を携行して、浦項の観測所における地動ノイズを実測し、同時に梁山断層の地形を調査し、あわせて微小地震観測のための場所の調査を行った。これによって、日本と韓国の協力による地震観測を開始する準備が終了した。また、広帯域地震は観測システムの開発と調整を終了したので、観測システムを発送し平成3年3月には連続観測を開始することとなった。これで、ほとんど地震観測が行われたことのない韓国内において、初めて本格的な地震観測を実施し、日本し比較することが可能となった。2.梁山断層の地震韓国の東海岸に沿う梁山断層は、地形学的な調査の結果、第四紀に活動したものと考えられる。短期間の微小地震観測の記録を調べると、明らかにこの断層の地域にマグニチュ-ド2程度の微小地震が起こっていることが確認された。地震デ-タを解析した結果によると、最近の韓国の地震活動は次第に活発化していることがわかる。また、韓半島の地震の発震機構から主圧力軸がほぼ東西方向であることが判明したが、これは西南日本から中国大陸にいたる広い地域に、同じような応力場が形成されていて地震を起こしていることを意味する。断層地形の調査と地震観測用地の調査は、予定どおり進展し、断層地形と過去の地震活動に関する資料の収集に関しては目標が達成された。
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