研究課題
この計画は2つの大きな柱を持っている。その1つは超高性能地震計を韓国東海岸に近いポ-ハン(浦項)に設置して永久観測点を作ることである。この観測点は、西太平洋・東アジアに超高性能地震計観測網を作るPOSEIDON計画による外国の最初の観測点として位置づけられる。研究計画のもう1つの柱は、韓国の断層帯で微小地震の臨時観測を実施することである。朝鮮半島には約2000年にわたる地震資料があり、被割地震もあったことが知られている。また、地形からリニアメントも見出されている。東アジアのテクトニクスを知るためには、この地域での地震観測と地震学の発展が不可欠である。1991年3月には、深尾氏、山田氏、石原氏と尾池が、ポ-ハンを訪れ、韓国側の共同研究者たちとSTSー1型地震計を設置した。また、堀田氏が短周期地震計3成分を設置した。16日からこれらによる観測が開始された。これらの記録はパソコンに収録され、ダイヤルアップ方式でデ-タを吸い上げることができる。1991年7月から8月にかけて、ヤンサン(梁山)断層の北部地域14か所に短周期地震計を置いて高感度観測を実施した。設置作業は、7月6日に日本を出国し、韓国側のメンバ-の協力を得て順調に進み、9日ころから順次記録を開始し、約1週間で14か所の記録を開始することができた。観測点の座標を決めるために、2万5千分の1地形図とGPSを使用した。その結果10m程度の誤差で位置を決めることができたと考えられる。SーPが10数秒のものは韓国中西部の活動度の高い地域の地震であると考えられる。歴史資料による地震活動でも、韓国の中西部の方が活動度が高い。観測期間中に日本で起こった地震も数個は記録されている。関東でM6以上であれば十分観測できることがわかった。
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