研究分担者 |
WEAR Robert ヴィクトリア大学, 臨海実験所, 講師
BOOTH John D ニュージーランド農水省, 水産研究所, 室長
西田 周平 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70134658)
早川 康博 北里大学, 水産学部, 助教授 (30129259)
関口 秀夫 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10024829)
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研究概要 |
イセエビ類のプエルルスは天然採集の因難なため生理・生態学的知見に著しく乏しいが、ニュ-ジ-ランド北島東岸のCastlepointには、昭和63年度調査で示されたように、ミナミイセエビJasus edwardsiiのプエルルスが接岸し、容易に採集されている。前回に引続きプエルルスの採集を行うと共に、計画的にその飼育を行い、生理・生態および行動の詳細を解明した。 クレバス型コレクタ-12基によるプエルルス(P)および稚エビ(PP)の日平均定着尾数は11.0および2.6尾で、前回に較べるとPPは多いがPは同程度であった。プエルルスの中腸線および色素の発達状態からPをP^1→P^2→P^<3A>→P^<3B>さらにPPに区分した場合、それぞれの尾数は104,19,26,50および47尾であった。初期のプエルルスP^1の定着にはピ-クのあることが認められたが、環境要因との関連は明確でなかった。なお、P^1の定着から4〜8日後に、色素の沈着したP^<3B>の増加がみられたが、これはP^1が成育したものと考えられる。 干潮時、汀線の小岩を持ち上げ、プエルルスの採集を行い、15日間にP^1よりPPまでの各段階の個体,50,5,7,44および13,合計119尾を採集した。P^1の採集尾数はコレクタ-と汀線の小岩との間でよく似た傾向を示し、来遊するプエルルスは人工的に設置したコレクタ-に天然の基盤と同様に定着すると考えられる。 プエルルスは水温25℃で1日間は異常がなかったが、3日後に死亡,26℃では死亡率60%,28℃では全部死亡した。一方、低塩分に対しては、海水80%+淡水20%では死亡しないが、海水70%で全部死亡した。なお、海水75%では1日間は異常を認めなかった。 J.serreauxig輸送個体は活〓に摂餌し、約4週間生残していた。後期のフィロゾ-マ幼生は極めて丈夫であり、長時間の輸送に耐えることが明らかになった。
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