研究分担者 |
SUBEDI M.N. ネパール王立森林植物研究所, 研究官
米林 仲 千葉県中央博物館, 学芸員
八木 浩司 防衛大学, 地学研究室, 助手
高山 晴夫 鹿島建設株式会社, 技術研究所, 研究員
杉田 久志 岩手大学, 農学部付属演習林, 助手 (60154473)
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研究概要 |
現地調査ならびにその後の検討による成果は次の1〜5である.なお,標本は現生の植物ならびに化石共に1セットを王立森林植物研究所に寄贈する予定であり,すでに押し葉標本の一部は現地調査終了時に,王立植物調査局に寄贈された. 1.ネパ-ル東部のシプトンパス周辺で地質,地形の調査を行ない,7ヶ所で合計60kgの堆積物試料を採取した.カ-ル地形と関連して数回の氷堆石の発達が見られた.現在年代測定中であるが、ヒマラヤ地域で初めての,具体的な年代試料に基づき氷河編年を行い得る試料になるものと思われる. 2.カ-ル湖毎に,堆積物は違った時期の情報を保存していることが予測された.現在分析中であるが,おおむね1万年以降の植生変還が,地形の変還と関連して復元できる試料であることが分かった. 3、シプトンパスにいたるル-ト沿いでは,比較対象のために押し葉標本約10,000点を初めとする植物標本を採集した.また,17地点で方形区を取り,比較のための植生調査を行なうとともに表層花粉を採取した. 4.いくつかの新種・新変種・新分布が見いだされた. 5.温室植物の経時的な温度変化が検討された. 今年度は試料の分析を行なうとともに,6名を西部ネパ-ルに派遣して乾燥地域での現地調査を行なう.また,M.N.スベディ氏を研究取りまとめのため日本に招へいする.
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