研究課題/領域番号 |
02041106
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
河野 毅 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (60211231)
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研究分担者 |
加藤 博 理化学研究所, 研究基盤技術部, 技師
宗像 一起 信州大学, 理学部・物理学教室, 助手 (40221618)
今井 喬 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 技師
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
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キーワード | 宇宙線 / 重イオン / 半導体検出器 / 位置検出器 / アイソト-プ / 宇宙観測 |
研究概要 |
1993年打ち上げ予定の技術試験衛星VI型(ETSーVI)に搭撮する宇宙線重イオン観測装置のエンジニアリングモデルのうち、HIT(装置の名称)のセンサ-部と処理回路部を加速器実験専用の匡体に収納した。パソコンでデ-タ取得を行うため、回路の出力とのインタフェ-スも作成してこれに納めた。この本体と、パソコン、磁気光ディスクドライブ、電源などの測定系1式を持参して、アメリカ・カリフォルニア州・バ-クレ-にある、ロ-レンス・バ-クレ-研究所(LBL)に着いた。マシンタイムはあらかじめ申し込んでおいたので、40時間がクロフォ-ド博士によって確保されいてた。約10日間の配線・組立・調整などの準備の後、90年12月1日から2晩連続の徹夜実験に入った。宇宙観測のために作られた回路系の時定数は非常に長く、パイルアップ除去も宇宙では不要なもので、非常に低いレ-トで長時間のデ-タ取得が必要なのである。使用したビ-ムは350MeV/nucの鉄イオンである。平成2年度は、まず単1エネルギ-のビ-ムに対するテレスコ-プのレスポンスをみることに主眼を置いた。ビ-ムは62mm角のPSDを十分カバ-するように広げて、センサ-全体のデ-タをとれるように工夫した。 デ-タ解析はまだ続行中であるが、突き抜けビ-ムに対する各検出器の出力波高をみると、PSD、PINは計算上の予測値との違いが1%以下と非常に良く、もっとも不安定なリチウムドリフト型でも1ー2%と満足できる結果が得られた。この突き抜けビ-ムに対するレスポンスは、センサ-性能の基本的なもので、まず第1歩をクリアしたといえる。また、PSDの位置ゆがみのデ-タも得られたので、粒子弁別のデ-タ解析法の向上に付いての手がかりとする事ができる。
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