研究分担者 |
SHANTA V. Cancer Institute, Madras(マドラス癌研究所), 所長
BHARGAVA M. All India Institute of Medical Science H, 教授
上田 龍三 愛知県がんセンター, 研究所, 部長 (20142169)
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
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研究概要 |
A.濾胞性リンパ腫 1.印度(ニュ-デリ-地区とマドラス地区)においても本症の発生頻度が本邦同様、非常に低いことが明らかとなった。全悪性リンパ腫に占める比率は約9%である。 2.染色体解析:本邦例では15例中6例(40%)に14;18転座がみられ、4例に他の異常が、5例では正常核型を示した。米国に比し14;18転座陽性比率が低率であった。印度症例については検討中である。 3.遺伝子解析:サザンブロット法を用いた場合、本邦症例の濾胞性リンパ腫11例中5例,45%にbclー2遺伝子(mbr,mcr,5'の3プロ-ブ)再構成がみられ、米国の症例に比し再構成が低いことを確認した。bclー2遺伝子再構成はmbrプロ-ブのみで検出されており、mcrや5'プロ-ブでは1例も検出されておらず米国症例で検出率と異なる所見が得られた。本邦症例は27例中4例、14.8%にmbrプロ-ブによるbclー2遺伝子再構成が見出され、印度症例では31例中3例,9.7%に再構成が検出された。これはサザンブロット法同様、米国症例より低い検出率を示した。 B.慢性リンパ性白血病 1.印度においても本症の発生頻度が低率であることが明らかとなった。 2.過去2年間に56症例を蒐集し解析した。クロ-ン性の染色体異常は41%の症例にみられ米国症例に比べやや低い。クロ-ン性異常として14q32異常,18q21異常がみられたが、米国症例に高頻度にみられる+12の異常は本邦では15%にしかみられず差異がみられた。印度・中国症例については検査中である。 3.遺伝子解析:これまでに36症例についてbclー1,bclー2(mbr,mcr,5')、bclー3遺伝子の再構成の有無を検討した。bclー1遺伝子は1例のみ、5'プロ-ブで3例に遺伝子再構成がみられた。
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