研究分担者 |
KAJA Jan ワルシャワ中央計画統計大学, 財政統計学部, 準教授
REMBISZ Wlod ワルシャワ中央計画統計大学, 生産経済学部, 助教授
KOWALSKI And ワルシャワ中央計画統計大学, 生産経済学部, 助教授
山村 理人 茨城大学, 農学部, 助教授 (60201844)
牛山 敬二 北海道大学, 経済学部, 教授 (60133691)
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研究概要 |
本研究は平成2年度と3年度にわたり日本側研究者がポ-ランドの農村を調査し,同時にポ-ランド側研究者が日本の農村を調査し農業の協同化を国際比較の観点から研究するものである。まず平成2年7月から8月にかけて40日間にわたりポ-ランドの農村を調査した。調査地点はコニン県クレチェフ村カミオンカ部落とその周辺であり,現地の民家に住み込み,1日に1軒の農家を5時間前後かけて調査するという詳細なフィ-ルド・リサ-チの手法を採用した。また原則として全戸を調査する悉皆調査を実施した。調査戸数は24戸であった。1戸づつまず家系図と圃場図を作成し,個別農家の農作業と近隣農家との協力,地域の機械化サ-ビス提供協同組合との協力を調査し,さらには家族間の農業継承性を含めたポ-ランドの農業構造とその発展の可能性を調査した。また農村調査に限定せず,農林省および県庁農業部での聞き取りや,食糧経済銀行での聞き取りなどマクロ・デ-タの収集にもつとめた。ついで平成2年9月に3週間にわたりポ-ランド側研究者が来日し,日本側研究者の援助のもとに北海道の各農村を訪れ,主に農協での聞き取りとり,農協傘下の個別農家数軒での面接調査を実施し,商品取引所や卸売市場の調査も行った。これにより日本の農業の協同化の実態,とりわけ農産物流通の実態が明らかになった。ポ-ランド側研究分担者の1名がその後ポ-ランド食糧庁副長官に就任したこともあり,ポ-ランドは日本の農産物市場をモデルとして本年度より農産物先物市場の開設の準備に入ったが,これは本研究の成果が直接に生かされた効果といえよう。西側に経済研究者が東側の農村に長期に住み込んで調査をするというのは,世界的にみても文字通りパイオニア的試みであったわけであるが,その当初の目的を十分に達成することができたと考えている。
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