研究課題/領域番号 |
02044009
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
後藤 健 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30186887)
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研究分担者 |
桑山 秀人 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40125399)
JOHNSON Carl バンダービルト大学, 生物学部, 助教授
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キーワード | Chiamydomonas rheinhardtti / Euglena gracilis / Circadian rhythm / NAD^+ kinase / Ca^<2+> / calmodulin / Cell cycle / Phototaxis / Phaseーshift |
研究概要 |
NAD^+キナ-ゼをクラミドモナスから抽出する方法を確立した(イエダプレスによる破砕が最も有効な方法であった)。NAD^+キナ-ゼ活性の測定法を改良した(即ち、NADP^+を定量するBernofskyの反応液にポリビニルピロリドンを添加すると、反応時間及びNADP^+濃度に対する反応の直線性が大幅に向上した)。 クラミドモナス(CC125)とユ-グレナの野生株(Z)のNAD^+キナ-ゼ活性が概日リズムを示すことに成功した。ユ-グレナのNAD^+キナ-ゼ活性に対するCa^<2+>/カルモジュリンによる促進は、いろいろな試み(抽出法、測定条件、精製段階)にも拘らず、今のところ成功していない。Ca^<2+>/カルモジュリンの抽出源を変えて、追試する予定である。 Ca^<2+>/カルモジュリンの特異的阻害剤W7によるパルス処理が、ユ-グレナの細胞周期を制御する概日時計の位相をシフトさせること、このシフトがパルス処理する位相とW7の濃度に依存すること、またW7の不活性アナログW5には位相シフト能力がないことを明らかにした。また、同様の知見を、クラミドモナスの光走性を制御する概日時計についても得つつある。 クラミドモナスの細胞周期は概日時計の制御を受けないとの仮説が従来より有力であったが、これを覆す強力な証拠を得た。まず、バッチ培養に於いてもクラミドモナスの細胞分裂が明確な概日リズムを示す条件を確立した。次に、光走性の概日リズムで周期の異なる二つの株(CC125株は25時間、MergーS株は19時間)を用いて細胞分裂のリズムの周期を、この条件下で比較測定した。細胞分裂リズムの周期は、光走性リズムの周期変異に対応して、CC125で28時間、MergーSで22時間となった。この事実は、クラミドモナスの細胞周期が、光走性を制御する概日時計と同じ概日時計によって制御されているという知見を強力に支持するものである。
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