研究分担者 |
木村 定雄 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40134225)
柳沢 正史 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (20202369)
平田 結喜緒 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50135787)
多久 和陽 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60171592)
DAVENPORT A. ケンブリッジ大学, 医学部, 助教授
村上 和雄 筑波大学, 応用生物化学, 教授 (70110517)
REID J.J. メルボルン大学, 医学部, 助教授
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
LIPPTON H.L. Louisiana State University, 講師
井村 裕夫 京都大学, 医学部, 教授 (10025570)
SCOTT Burden バーゼル大学, 医学部, 教授
MAGUN B.U. オレゴン, ヘルス・サイエンス大学・医学部, 教授
ANGGARD E.E. St. Bartholomew's Hospital Medical colleg, 教授
KON V. Vanderbilt University, 講師
SNYDER S.H. The Johns Hopkins University, 教授
HIGHSMITH R. University of Cincinnati, 助教授
LUSCHER T. University of Basel, 教授
WHARTON J. ロンドン大学, 医学部, 助教授
DUNN M. Case West. Res. University, 助教授
POLAK J. University of London, 教授
RYAN U. University of Miami, 教授
VANHOUTTE P. Bayloy College of Medicine, 教授
VANE J. St. Bartholomeu's Hospital Medical Colleg, 教授
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研究概要 |
染色体遣伝子の解析から、殆どの哺乳類には3種類のエンドセリン(以下ETと略)アイソフォームが存在することが判明し、それぞれET-1,ET-2,ET-3と命名されている。これらは生体内の様々な部位に異なった分布をしており、それぞれ違った役割を果たしているものと思われる。最初に発見されたのがET-1であり、多くの研究はET-1を用いて行われてきた。当初ETは強力な血管収縮性ペプチドとして発表されたが、その後国の内外の施設に於ける研究によりETは心血管系のみでなく、腎蔵や気道平滑筋、消化管、内分泌系、更には神経系にも存在し、作用することが示され、広範な生理活性をもつペプチドであることが明かとなってきた 生体内に於いて、ETは前駆体蛋白からプロセシングを受けて生じた中間体であるbig ETが特殊なET変換酵素によって切断さて生合成されるものとかが得られる。今回の国際研究協力の大きな成果の一つに、この酵素の性質が明らかにされ、特異的な酵素阻害剤(ホスホラミドン)も見いだされたことが挙げられる。ホスホラミドンを静脈内に持続注入するとラットの血圧も下降し、ETが生理的な血圧調節にも与っていることを物語っている。ET受容体蛋白をコードするcDNAのクローニングにも成功し、そのアミノ酸組成が解読されて一次構造が明らかにされた。これは、今後のETの詳細な作用機構の解明に重要な意味をもつものと思われる。血管内皮細胞のある種の腫瘍患者では、血中ET濃度が異常に高く、高血圧を伴っていた。この腫瘍を外科的に除去すると血中のET濃度も血圧も正常レベルまで戻ったという。又、クモ膜下出血後の遅延性脳血管攣縮の動物モデルに於いて、ET生合成の抑制処置を施しておくと、血管攣縮の発生が抑えられたという。これらは、血管収縮を伴う一部の疾患に、ETが関与していることを示唆するものである。
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